6月17日(日)第二食
なぜであろうか、フィレ・オ・フィッシュが
食べたくなった。
正確にいうと、JR系のハンバーガー店[ベッカーズ]の
フィッシュサンドなのであるが。
[ベッカーズ]は今もあると思うが、飯田橋駅にあり
オフィスが市谷であったころはよくいっており、
そこでフィッシュサンドが好きでよく食べていたのである。
おそらく食べたことのある方はほぼないと思うが、
別段、特別なものではない。
白身魚のフライにマヨネーズだかタルタルソースと
少しばかりのキャベツの千切りがはさまっているもの。
べら棒にうまいということもないが、
フライはそこそこカリッとあがっており、
ソースの味も少しのキャベツもちょうどよい感じで、
なんだかくるたびに食べるものになっていた
のである。
オフィスが五反田になり行動範囲に[ベッカーズ]が
なくなり食べられなくなっていたのである。
[ベッカーズ]は御徒町駅にもあったのだが、
名前が[ベッカー]と近いが別のものになっており
内容もハンバーガーではなくカフェのような業態に
かわりメニューも変わっている。
調べると、最寄の[ベッカーズ]はやはり飯田橋のようである。
と、いうことで最寄のハンバーガー店。
菊屋橋の[モスバーガー]と稲荷町の[マクドナルド]。
[モス]にフィッシュサンドがあったかどうかよくわからぬ。
フィッシュサンドを買いに[モス]に行くのもなにか
的外れである。であればやはり[マック]か。
今日は内儀(かみ)さんもいないので、これで
ビールを呑んで飯にしようか。
自転車で出て、稲荷町の[マック]。
[マック]というのは一時期は売上ダウンが表面化
していたが、崖っぷちの粘り腰というのか、開き直った
効果なのか、ここ数年出す製品も話題をふりまき、
好調のようである。
フィレ・オ・フィッシュはよいとして、もう一つ。
新しいキャンペーン中のメニュー。
ダブルチーズの裏メニューなるもののセットと
フィレオにしてみる。
飲み物はコーラ。
ファストフードにまったく行かないかというと
わけでもないのだが、やはり久しぶりである。
ハンバーガーでビールを呑むということは
ほぼないが、ちょっと愉しい。
買って帰宅。
裏ダブルチーズバーガーセットとフィレ・オ・フィッシュ。
「裏」というのは、ちょっと特別くらいの意味のようだが
まあ、おもしろいネーミングである。
こちらの方はどうでもよいのだが、肝心のフィレ・オ・フィッシュ。
ふっくら。
バンズをはがすとこんな感じ。
ビールを開けて、食べる。
味はまあ、皆さまご存知の[マック]のフィレ・オ・フィッシュ。
先に書いたように、マックのフィレ・オ・フのバンズは
ちょっと蒸してあるようなふっくら、しっとり。
タルタルソースというのかマヨネーズというのか、これも
独特。酸味が多少強めで味の設計もちょっと他ではない。
白身のフライはまあ、特段かわってはいないか。
さて、今回ちょっと白身魚のフライサンドを調べてみた。
どうも[マック]のフィレ・オ・フィッシュが元祖のよう。
アメリカ人が宗教的理由で肉食を控えたいときのために
考えられたとのこと。で、定番になった。
この白身はなにか、というのがよく話題に出るが、
[マック]は一応公開していて、もともとは大西洋のマダラで、
今の日本はスケトウダラ、ワールドワイドではホキ、メルルーサなども
実績があるという。
白身のフライというのはあのイギリス名物の
フィッシュアンドチップスからのものであろう。
英米人にも食べやすい魚の食べ方。
[マック]は先に書いたように、バンズが独特の食感。
これは蒸しているから。
[マック]では普通のハンバーガーは焼いているのだが、
フィレ・オ・フィッシュだけは蒸している。
この一品だけ面倒くさいことをしているのである。
魚のフライにはこの方が合うというのだが、なぜであろうか。
[ベッカーズ]は焼いていたように思う。明らかにあの食感ではない。
それでも別段不都合はないと思うし、うまかった。
特段、あの蒸したモチっとした食感が合っているという気も
私はしないのだが。
きっと[マック]はワールドワイドで決まっているのであろう。
意外とこういう食味に関する意識は変わりずらい。コカ・コーラ
などもいわゆる原液はアメリカで製造していて一切現地では
味はいじらせないと聞いたことがある。
製品に対する誇りともいえるが、意外にこういうところは
アメリカ人も頑固なのである。
魚フライをはさんだ、いわゆるフィッシュサンド的なものは
[モス]でも[バーガーキング]でも[フレッシュネスバーガー]でも
各チェーンでほぼどこでも品揃えてしているようである。
食べ比べた人がいて、読んでみるとそれぞれ多少違っていて、おもしろい
ようである。私はどれも食べたことはないし、買い集めて、
食べ比べようというほどフィッシュサンドに情熱があるわけでもない。
[ベッカーズ]のものも熱烈なファンでもないし、
それもいつも食べたいというわけでもない。
だが、時として、食べたくなる。
ちょっと不思議なポジションの食い物ではある。