浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



浅草・弁天山美家古寿司 その1

dancyotei2018-06-17


6月10日(日)夜


鳥越祭は書いたようにまだ続いているのだが、
夜は鮨を食べに行こうと考えた。


地方であればお祭とその時に食べるもの
というのが地元の名物だったり、伝統的に
決まっていることが多いと思われる。


東京下町であればなにか。


まあ、そういう伝統的な食いものというのは
あまり思いつかなかろう。
祭の時期そのものが、書いたように
便宜的に決められており、民俗的なものではないし
その時々のものを懐都合によって
食べていた、程度のものではなかろうか。


個人的には、祭といえば、まず思い浮かぶのは
焼きそば。


鳥越祭でもそうなのだが、
神社周辺には祭期間は、屋台が立つ。
屋台といえば、焼きそばという単純な
発想ではあるが、町内会でも屋台のようなものを
出していて、そこでも焼きそばがあった。


そして、もう一つはにぎりずし。
神酒所などでも取ることは多いのであろう。
近隣の鮨やでは、お客の多い町会の神酒所に
差し入れというのか、ご祝儀として
提供したりしていることもある。


まあ、あわただしい祭中は簡単につまめ、
かつ、酒の肴にもなるのでにぎりや巻物は
機能的であるし、祭としての特別感にも
合っている。


ただ、そんな具合なので、出前を頼むと
方々で頼んでいると思われるので、
かなり混んでいることが予想される。
といったことで、鳥越の祭範囲からは少し離れた
浅草の鮨やで出前もしていない弁天山[美家古寿司]
であればよいだろう。雨だし。


TELをしてみると、5時からテーブルであれば
OKとのこと。
お願いする。


ここはフリーではまず入れないし、
その日の予約ではなかなか取れない。
ラッキーであった。


少し前に内儀(かみ)さんと出て、
タクシーで向かう。


弁天山というのは、毎度書いているが地名である。


浅草寺の南東角に江戸の頃から弁天堂があるがこれが小山に
なっていてこれが弁天山。
それでこの付近の呼び名になってきた。


[美家古鮨]はその外の通り沿いにある。


ここ、タクシーで場所をいうのは、難しい。


私の場合、タクシーで行き先をどう伝えるのかは
けっこう大きな問題なのである。
できれば、きれいに、スマートに伝えたい、
と、思うのである。
(ちょっとヘンであろうか。)


だが、東京のタクシーの運ちゃんと
通りの名前なども含めて、自分と共通認識が
まあ、あまりない人の方が多いと感じているのである。


東京でサラリーマンをして足かけ30年以上。
また、今は車は持っていないが、以前は
少し前まで自分で運転もしていた。
通りの名前など通称は時がすぎると変わるものだし、
特に浅草に住んで15年以上になるので、運ちゃんよりも
知っている。これはまあ仕方がなかろうが。


観音様の東側の大通りの名前は、馬道通りで
よいと思うのだが、これはタクシーの運ちゃんで
通じない人もいる。


さらに弁天山なんぞはまあ、知っている人は
いなかろう。


伝法院通りのちょい先、なのだが、
あそこの信号は伝法院通りではわからないか、、、
と考えてしまう。


結局、東武の浅草駅の左側の通りに入って、
あ、この辺でいいです、、になってしまう。


そんなことで、停まったところは
10mほど先になってしまった。


弁天山[美家古寿司]。
5分前に到着。


自動ドアを開けて入る。


名前を言って、奥のテーブルに。


つけ場に親方、若親方スタンバイ済。
掛ける。


若女将にビールを頼む。


ビールは瓶のキリンラガー。


お通しはいか下足。



ここは5,500円から12,000円まで
つまみににぎりの付いたコースがあるが、
最近は、つまみはなしで、にぎりだけを
お好みで頼むことが多い。


もちろん、つまみもうまいのだが、
同じ値段のものを頼むと、同じつまみが
出てくる、のである。


やはり、ここの持ち味はにぎり、で、ある。


まずは、いかと光物から。


いか、小肌、鯵、きす。









つづく





弁天山美家古寿司





台東区浅草2-1-16
03-3844-0034