浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



西浅草・中華料理・十八番

dancyotei2018-04-02

3月30日(金)昼

金曜日。

年度末の有給消化で、休みにした。

バタバタした今年度であったが、一日ぐらいは

休んでもよいであろう。

さて、昼。

諸処の買い物もあり、自転車で出る。

昼飯もついでに食べようということ。

目当ては、このところ宿題にしていた、

西浅草の中華[十八番]。

近所に住んでいながら、ここを知らなかったのは

まったく不覚の至り。

もしかすると、ご存知の方もあるかもしれぬ。

随分以前のようだが、とんねるずの「きたなミシュラン

で「酸辣湯麺」を取り上げられ星三つを獲得したというところ。

まあ「きたなミシュラン」というので星というのも

なにか怖いような気もする。

存在すら知らなったので、怖いもの見たさ?で、

少し前に見に行ってみた。

場所は、合羽橋の裏通り。

道具街の合羽橋交差点の道具街の通りとは直交している

東西の通り、合羽橋本通りの南へ二本の東西の通りにある。

この界隈、どの通りも街並みが似たようなもので

ちょっとわかりにくいかもしれぬ。

最寄駅はどこになろうか。

どこからでも遠そうだが、TXの浅草駅、銀座線の稲荷町

田原町になろう。

合羽橋道具街へ買い物にきたついで、あるいは、台東区

池波正太郎記念館にきたついでに寄る、くらいしか

くる用事はなさそうである。

見に行ったのは先週の土曜の夕方で営業時間外。

間口二間くらいであろうか。

カウンターにテーブル三つほど。

確かに、近所の人以外、知らなければとても

入れない。

なぜか、宇都宮餃子館がすぐ隣にある。

店の中では料理人らしい太った方が、テーブルに

休んでいた。

と、いうことで、金曜、13時近い時刻、

きてみる。

昼時でにぎわっている。

ほぼ満席ではなかろうか。

空席はカウンターに二席程度。

お婆さんといってもよさそうな、高年齢の

女性二人と、料理人はこの前見かけた太った方と

もう一人。

こんな小さな店だが、4人は充実している。

カウンターの一番手前の席に掛ける。

メニューをみる。

麺類に、ご飯ものも充実している。

ただ、こういう中華店によくありそうな、レバニラ定食、野菜炒め定食

ような炒め物+丼の白飯のようなものは、見当たらない。

麺類に半チャーハン、あるいは、ぶためし。

こういう頼み方がメインか。

ただ、星を取ったという酸辣湯麺はメニューには

見当たらない。

ぶためしというのは、この店の名物のようでもともとは

まかないであったというもの。

チャーシューでものせたご飯か。

麺類に半チャーハンはさすがに多い。

だがチャーハンは食べたかったので、五目チャーハンを

頼んでみる。

お客の顔ぶれを見てみると、やはり近所の人がメインか。

合羽橋の裏なので、道具街で働いている人は多かろう。

あるいは、建築現場らしい鉢巻系。

わざわざきたのか、近くにきたついでに寄ったのか、

ちょっと年齢高めのサラリーマン。


(この人、お土産まで頼んでいた。)

こんなところか。

この店「きたなみしゅらん」というのは、

店が小さく、古い以上に、やはり店の中も、

古いだけではなく、手の触れるカウンターやテーブルは

きれいにしているが、店中ピカピカに掃除が行き届いている

かというと、やはり、そこそこ、で、ある。

お婆さん二人、というのはなに者か。

気のせいかお二人、背格好も顔も似ていなくもない。

ご姉妹?。どちらかが、この店の女主人?。

料理人のお二人は、このお婆さんはどちらかお子さんのようには、

見えぬが、雇われ?。いろいろ気になる。

きた。

五目チャーハン。

アップ。

こういうものは、あまり差はつかなかろうが、

脂っぽくはなく、普通にうまいチャーハン。

ただ、食べ終わるとそこはかとない満足感がある。

お婆さんに勘定をして、出る。

毎度ありがとうございます、またどうぞいらしてください。

とても丁寧なご挨拶。

こういう裏通りの中華店であれば、お父さんと

お母さんが喧嘩でもしながら、やっているというのが

よくある感じだと思うのだが、このお婆さん、らしくない。

ちゃんとした雰囲気を醸し出している。

町中華」というのが、最近のキーワードである。

日本橋「大勝軒」、五反田「亜細亜」、

あるいは、オムライスがある浅草「ぼたん」

まだまだあると思うが。

広い意味ではここもそこに入るのだと思われる。

土曜の昼にでも、またきてみるか。