3月5日(月)夜
月曜日。
例によって栃木からの帰宅、なのだが、
今日は真っ直ぐ帰宅ではなく、以前にもあったが、
日本橋三越へ行かねばならない。
北千住でスペーシアから日比谷線に乗り換え、
さらに上野から銀座線で三越前。
むろん自家用ではなく、
お使い物であるが、これがなかなか難しい。
そもそも今、値が張るウイスキーというもの
百貨店にはあまり売られていない。
むろんディスカウント店などにいけばあるのだが
お使い物としては、やはり百貨店の包装紙で
なければいけなかろう。
帰宅に便利な浅草松屋、上野松坂屋でも
高価なものほぼ置いていない。
それで日本橋までこなければならない。
NHK朝ドラの「マッサン」以来、ニッカの
竹鶴は大ブームになり、17年は百貨店などには
ほぼ出回らなくなっているし、サントリーでも
山崎12年なども同様。
結局、イギリスの著名スコッチ。
竹鶴や山崎は国内での人気に加えて、
海外からの評価も高く、ずっと品薄が続いているよう。
しかし、浅草や上野あたりの百貨店に国産以外も含めて
値の張るウイスキーは置いていないというのは、
どういうことであろうか。
このあたりではお使い物ニーズがあまりないのか。
ウイスキー自体の人気はむしろ上がっていると
思われるので、お使い物ニーズから、自家用ニーズに
変わっているということなのかもしれない。
7時半すぎに三越に入り、ささっと買って、、、
と、これも以前に書いている気がするが、
この時刻、閉店間際のこの時間帯に三越にくると、
その後は、そばや。
[利休庵]で納豆そば、になる。
日本橋にくると洋食の[たいめいけん]、
高島屋裏の[吉野鮨]という選択肢もあるのだが
ちょっと遅いこの時刻では、さっと入れる
そばやぐらいがちょうどよい。
日本橋でそばやというと、もう一軒、
[やぶ久]もある。
あそこだと、季節のかき揚げ天をヌキにしてもらって
呑もう、ということになり、もう少し、腰を据える
感じで、この時刻だと、満席のこともある。
もうちょいと軽く、サクッと帰ろう、
の、気分、ということである。
[利休庵]の方は、特に一階は、
女性だけのお客も多く、腰を据えて
呑んでいるお客はそう多くはない。
これも、ちょうどよい。
三越の一階に上がり、出る。
中央通りを渡って、鰹節の大和屋の角を入り、
一本通りを越えて、左側、ドトールの隣が[利休庵]。
暖簾を分け、くもり硝子の格子を開けて入る。
お姐さんに一人と指を出す。
あいたテーブルもある。
手前、壁側のテーブルに掛ける。
瓶ビール、キリンをもらい、納豆そば。
ビールがくる。
ここはそばやではそば味噌が多いが、
お通しのようなものはこない。
これも、腰を据えて呑む感じではない。
地下や二階の席は、実のところ私は
入った記憶がないが、感じが違っているのであろう。
階毎に客層を分けているのだが、
おもしろいし、成功している。
納豆そばがくる。
辛子とねぎを入れて、玉子の黄身も海苔も削り節も
すべて、よくかき混ぜて、食べ始める。
毎度書いているが、これ、
やはり名作ではなかろうか。
更科系といってよいのか、細く白めのそば。
つゆも納豆も、特別な様子は一切感じないのだが
この一体感といのか、よくかき混ぜて口に運んだ時の
まとまり方は筆舌に尽くしがたい。
まったくもって、食べ終わるのが惜しいくらい。
なにがこの納豆そばのうまさポイントなのか、
いまだにわからない。
食べ終わって、つゆが丼の底にたまっていないのも
絶妙なつゆの量ということ、なのであろう。
まったく不思議なもの、で、ある。
どうしているのかお客にまったく気付かせない
料理というのが、ほんとうにすごい料理、
といってよいのかもしれぬ。
量もちゃんとある。
腹も一杯。
ご馳走様でした。