11月4日(土)夜
引き続き、連休、中日。
よし。
煮込みを作ろう。
煮込みの季節、で、ある。
煮込みといえば、他のものではない。
もちろん、もつの煮込みのこと。
居酒屋、焼きとんや、大衆酒場といったところのもの。
酎ハイと同様、戦後のものかと思ったら、ウィキペディア
によれば、明治中頃には既にあったらしい。
どちらにしても、既に肉体労働者の安いタンパク源、
酒の肴であったようである。
串に刺して味噌で煮込んだ、というような記述も
出てくるが、焼きとんを煮込むというようなイメージ
であろうか。
今の焼きとんやなどのもつ煮は、もつ自体の処理方法だったり、
調理方法にしてもだいぶ進歩し、かなりうまいものになっているが、
その昔のものは、においやら強く、食べつけない者には
ハードルの高いものであったようである。
人力車の車夫相手の屋台、などとも書かれており、
店舗を構えた居酒屋よりもさらに安直な地位だったのかも
しれない。
材料はハナマサで調達。
煮込み用のモツの大きなパック。
それから、生のマルチョウ。
脂がよく出るので、最近は欠かさず入れている。
それから、木綿豆腐。
いつもは量を増やす意味もあって、こんにゃくを
入れていたが、今日はやめてみる。
毎度書いているが、私のレシピは、森下の有名居酒屋
[山利喜]が元。
もつを軽く洗って、圧力鍋に。
にんにく一かけら、しょうがのスライス4〜5枚。
ここに赤ワインたっぷりに水。
量はヒタヒタ程度。
味噌は、そう、今回は例の江戸伝統の味噌、江戸甘を
使ってみよう。
いつもは、信州味噌を主に八丁味噌を入れていた。
あとで味をみるとして、一先ず、江戸甘のみ。
ローリエ数枚。
これで点火、煮立ててしばらく置き、ワインのアルコールを
飛ばす。
ふたをして、圧が上がって弱火で5分。
火を止めて放置調理。
平行して小鍋で玉子をゆでる。
3個。
沸騰したところに玉子3個。
ふたをして弱火で10分の固ゆで。
水で冷やし、よく冷えてから皮をむく。
ゆで玉子の皮むきは、よく冷えてからが、鉄則。
圧力鍋の方は、30分。
ふたを取る。
豆腐も切って、ゆで玉子も入れる。
ここで味見。
味噌が、江戸甘100%。
やはりこれは?、クエスションマーク、である。
煮込みの場合、甘辛まではいかぬが、実は砂糖も入れる。
砂糖が入らないと、なぜか煮込みらしい味にならないのである。
江戸甘は甘いので、砂糖なしで、なにも足さずにすむかとも思ったが、
今度は、塩味が足らない。
それから、江戸甘は、米麹の量が多いので米麹の味、
ちょっと酒粕のような味がする。これが少し気になる。
信州味噌、塩、しょうゆ、砂糖も追加。
結局、元のレシピに戻っているよう。
OK、こんなもの。
玉子と豆腐はもう少し置くとして、もつだけは
食べられるので、ちょいとつまむ。
深夜。
豆腐も玉子も味が染みてきたところ。
[山利喜]を真似て、ガーリックトーストも用意。
煮込みは、まあまあのでき。
だがやはり、江戸甘は向かなかったか。
煮込みのようなものには、濃くてはっきりした味が
合っているのであろう。