浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



てりやきソースのステーキ


4月21日(金)夜


金曜日。


今日は、ハナマサでアンガスビーフのステーキ肉を買って
てりやきソースのステーキにしようと考えた。


実のところ、最近、遅ればせながら、
TV東京で放送していた「孤独のグルメ」をアマゾンプライム
全シリーズを通して視た。


ほぼ一気に視たのだが、ご存知の方も多かろう。
五十恰好の雑貨輸入商、井之頭五郎が仕事で行く町々で
一人で飯を食うという、まあ、言ってしまえばそれだけの
話しなのだが、おもしろい。


松重豊氏が演じているのだが酒を呑めないというのが
一つの特徴なのだが、とにかくよく食べる。
そして、どちらかといえば、B級好み。


また、このドラマ、やはり肉が多い。


数えたわけではなく印象に残っているだけかもしれぬが
焼肉、中華など他の料理でも肉中心のものが
多かったのではなかろうか。


井之頭五郎役の松重豊氏がモウモウとした煙の中、
ワシワシと焼肉を白飯とともに口に
運んでいる姿がどうしても頭にこびりついてしまう。


それで、このところ肉が食いたくなっているのである。


特に直近視て、頭に残っているが、ステーキ丼。


ここからの発想である。


ステーキ丼自体を食べに行くという選択肢もむろんあった。


この「孤独のグルメ」だけではなく、昨今の肉ブームというのは
やはり顕著なものがあろう。
熟成肉なども現れ、希少部位を集めた店、焼肉や、ステーキや
に加えて、肉バル、なんというよくわからない新しい業態
ともいえるような言葉も聞こえてきている。
まさに肉レストラン花盛り。


一方、ステーキ丼だと、赤坂と新川の老舗洋食や[津々井]が
すぐに思い出されるが最近は、こて盛りの量を売りにしたところも
多く出てきている。


ニューウェーブは別にして、ステーキ丼といえば、
どちらかといえば、甘辛のいわゆる
てりやきソースであろう。


であれば、丼ではなく、飯抜きで
ステーキでもいいじゃないか。


いつもステーキに使っているアンガスビーフ
甘辛のてりやきソースで食べてみたらどうか、という
発想になっていったのである。


では。


てりやきソース、というのはそもそもなにものであろうか。


しょうゆベースの甘辛なのだが、やはり文脈としては
日本のものではなくアメリカなどで使われているものであろう。


日本だと、モスバーガーのテリヤキバーガー。


日本国内では、しょうゆの甘辛というのは、
むろん照り焼きに限らない。


特に、東京ではそばにしても、うなぎ、天ぷら(天丼)、
すき焼き、焼き鳥、鮨やの例の甘いたれ等々、
もう枚挙にいとまがない。味の基本といってもよかろう。
これがアメリカなどに渡って、テリヤキと総称された
のであろう。


また、しょうゆといっても、関西の薄口などではなく、
東京の濃口に限定してよいのであろう。
(まあ、レアだがたまりじょうゆも含まれるか。)


そういう意味では、モスバーガーのテリヤキは
逆輸入といってよいのかもしれぬ。


と、まあ、ここまで考えて、作る物の
方向が定まった。


モスのテリヤキバーガー風のステーキにしてはどうか、
で、ある。


なにかといえば、甘辛のたれに、レタスとマヨネーズ。
つまり、付け合せにレタスとマヨネーズを使うというもの。


モスバーガーのテリヤキバーガーは
おそらく創業の頃からある定番メニューで
もはや40年以上になろう。


マックなどでもテリヤキは思い出したようになん度も
出ている味だと思うが、やはりモスが定番。
不動のものであろう。
あの、レタスとマヨネーズ、甘めのてりやきソース
今でも文句なく、うまい。


さて、ソースはどう作るか。


油(脂)多めで肉を焼いたフライパンで酒、しょうゆ、
砂糖を煮詰めればよいだろう。


帰り道、ハナマサとライフでアンガスビーフのステーキ肉と
牛脂(ヘッド)、レタスを購入。
(ヘッドは只だが。)
レタスは今安いのか。あまり自分では買わないので知らなかった。
ライフで一玉130円。


帰宅。


まずはレタスをちぎって、水にさらしておく。
これは30分。


水を切って、冷蔵庫へ入れておく。


ハナマサのステーキ肉は大きいので半分。


ヘッドを2個入れ、フライパンで普通に両面、焼く。
ミディアム程度に。


肉を皿にあげて、フライパンにしょうゆと日本酒、砂糖を投入。
いわゆるたれなので、砂糖はかなり多め。


煮詰める。
ただ、鮨やの甘いたれや焼き鳥のたれほどだと甘すぎると思い
それよりは、ずっと手前でとめる。


盛り付け。



アンガスビーフだが赤身で、うまみがある。


さすがに世界に冠たる濃口しょうゆのあまから、
アンガスビーフにも合わないわけがない。


そして、なんであろうか、これは。
ハンバーガーでなくとも、やはりレタスと
マヨネーズと、しょうゆの甘辛は、やっぱり
うまい。
モスバーガーおそるべし。