浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



箱根塔ノ沢・福住楼 その4

dancyotei2016-12-29

12月22日(金)〜25日(日)

引き続き、箱根。

お昼に宮ノ下の[富士屋ホテル]へ。

私のカツカレーと内儀(かみ)さんのハヤシライス。



どっと、かけてしまう。

カツもカレーも上品。

塔ノ沢の[福住楼]へ戻り、

内儀さんは年賀状書きの続き。

私は転寝。

5時頃起きて、風呂へ行って。

夕飯。

今日は一泊の人用のメニューのよう。

左上、籠の上から、ふぐ皮の煮凝(にこご)り、鴨肉、

オレンジ色のものはからすみ。自家製か、半生。

その右の白いものはなんであろうか。

白餡の団子、和菓子のような甘いもの。

下が、鮭、右が菜花のおひたし。

右の黄色の小さな小鉢は、金柑であろうか、

皮を甘く煮たもの。

右の小鉢は鮟肝豆腐。

刺身。

右は黒鯛か。

まぐろ中トロ、海老、左がかんぱちか。

鍋はすき焼き。

玉子が溶いてある。

外国人用なのか。この日も、外国人の方がお客は多かったよう。

鱈のよう。

青いのは春菊で、白子も入ってる。

これもなんだか、鍋の片割れのよう。

鰤照り焼き。

これも定番である。

下には大根。

この大根は焦げめのようなものがついている。

煮て、焼いたのか?。

蒸し物か。

これも鱈。見た通り餡かけ、で、ある。

煮物とご飯。

里芋のふろ吹きといってよいのか。

茹でたのか、蒸したのか。

柔らかく火を通した里芋に肉味噌。

これ、ちょっとおもしろい。

里芋に味噌をつけて食べるというのは、

田楽といっていた頃から、古い食べ方である。

今でもうまい。

二日目、朝。

今日はクリスマス。

昨日同様、8時半が飯なので、直前に風呂に入る。

朝は、岩風呂が男。

朝飯。

今日は、湯豆腐。

干物は鯵。

これも脂がのっており、よいものであろう。

蒲鉾、わさび漬け、煮豆、きゃらぶき

切り干し大根、しらす

出汁巻玉子、焼海苔。

お新香。

湯豆腐が温まった。



湯豆腐は、私は毎日でもよい。

以前に一度、前もって言っておいたのだ、

湯豆腐の朝に、お酒を一合もらったことがあった。

朝から湯豆腐で燗酒。

もう、これは最高。

なん連泊もするのであれば、こんなわがままも

許してもらえようが、まあ面倒な客、である。

だが、こういう日本旅館の愉しみというのは、

本来、あったものである。

落語「居残り佐平次」。

この舞台は品川の女郎屋だが、居残りをしようとする

佐平次は、だらだら朝からいろんなものを頼んで

呑んで、寝てしまう。

よくしたもので、かいまきが掛けられる。

ボーンボーンと、舶来の柱時計が二回鳴って、起きる。

湯に入って、、、またなにか頼んで、、、

おはらしょうすけさん なんで身上つぶした、

朝寝 朝酒、朝湯が大好きで、、、

なんということでもあるが、

一年に一週間くらいここに泊まって、

なにか物を書くのか、、はたまた、ただだらだらするのか。

どちらにしても贅沢な時間である。



勘定をして、出立。



帰り。

たまには別のルートで帰ろう。

伊豆半島を海岸沿いに南下、下田まで。

下田からは「伊豆の踊子」と反対のコース、

天城越え

御殿場から東名で帰京。









 

ザ・フジヤ


福住楼