浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



油淋鶏

dancyotei2016-10-04

10月1日(土)昼

引き続き、土曜。

今夜のTBSチューボーですよ!、放送前に調べると、「油淋鶏」
(ユーリンチー)。

中華風鶏のから揚げ甘酢がけ、で、ある。

しかし、いつも思うのだが、淋という字はなんであろうか。
訓読みではさびしい。(妙な病にも使う字である。)
漢和辞典を引くと、水などが絶え間なくしたたる、という
意味だそうな。
料理になると、中華で油をかけながら揚げる料理法
ということのようである。
もともとは、丸鶏を使って、大きいので鍋の油に入らず、
この油をかけながら、淋をした、ということのようである。

好物である。作ろうか。

鶏肉が切れているので、ハナマサへ買いに出る。

鶏もも肉、2kgの大袋(800円程度であったか)、割安である。

帰宅し、半解凍状態であったので、袋ごと流水に入れて、
溶かしておく。

さて。

早く食べたいので、番組を視ながら同時進行、になってしまったが
作り始める。

まずは、もも肉の厚い部分に真横に包丁を入れて、開き、
筋切りと、漬けだれが入りやすいように包丁目を入れておく。



二枚、塩胡椒。

漬け込みのたれは、全卵、しょうゆ、紹興酒



よくもみ込んでおく。
30分ほど。(これで番組は終了。)

薬味用のねぎとしょうがのみじん切りを用意。
(これは内儀(かみ)さん。)
香菜は私が嫌いなので、入れない。

しかし、余談であるが、この葉っぱ、当番組でもパクチー
言っていたが、パクチータイ語である。
違和感がないのであろうか。
中華料理なので、香菜=シャンツァイが正しいのでは
なかろうか。カレーなどのインド料理であれば英語で
コリアンダー。メキシカンでもよく使うがスペイン語
シラントロ(cilantro)。
少なくとも私はこの日記では使い分けている。
(ちなみに、和名はカメムシ草だそうな。)

ともあれ。

揚げ油の用意。
もも肉は大きいので、中華鍋を用意。

漬けたもも肉、全卵が入っているので水分が多い。
少し捨てて、ここに直接片栗粉を投入。
よく絡める。

一枚ずつ取り出し、再度、表面くまなく片栗粉をまぶす。

どうも私が鶏からを揚げる場合、この片栗粉付けが
中途半端なことが多い。
これは、から揚げなので、文字通りカラ(空)に引っ張られている
のである。
しっかりと隙間なく付けた方がうまい。



たれの準備。
しょうゆ、砂糖、酢、レモン汁、ウスターソースケチャップで
味見をしながら、味を決めておく。(特に量らずに目分量。)

油を張った中華鍋に点火し、温度の上昇を待つ。

二度揚げをするので、最初は低めで。

投入。



衣が固まって、少ししたらよいだろう。

一度目、あげる。




油温が上がっているので、火を止め少し置いて、もう一枚投入。
これも同様のタイミングであげる。

二度目。今度は高温に上げて、投入。



カリカリできつね色まで。


もう一枚。

揚がった。

一口に切って、皿にのせる。

なかなか、よく揚がった。
外はカリカリ、中はしっとり。

衣をちゃんと付けたのと、二度揚げの威力であろう。

たれに、薬味を合わせ、上からかけまわす。



(真上からのカットであるが、今一つ、なんだかわからないか?。)

ちょっとたれが多かったかもしれぬ。

だがまあ、御の字。
うまい油淋鶏ではあろう。

たれにしょうがが入り、ウスターソースケチャップが
入っているところが、新味。
味に深みが出る。

しかし、この料理、なんとなく釈然としない。
せっかくカリカリに揚げたのに、たれをかけて、
シナッとさせてしまう。

自分で苦労をして揚げたので、よけいそう思うのだが、
カリカリはカリカリのまま食べたいような
気もする。

まあ、こういう料理ではあるのだが。