浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



鰹?、、、失敗の巻

dancyotei2016-06-27


6月25日(土)夜

引き続き、土曜日。

[銀座スイス]でカツカレーを食べて、銀座線で
戻ってくる。

御徒町で魚をみていこうか。

上野広小路で降りて、いつものアメ横の魚やへ向かう。

アメ横もいつもの土曜日同様に
にぎわっている。
日本人もいれば、東洋系、欧米系取り混ぜて
多くの観光客。

魚やの前までくる。

ん!。

大きなものではないが、鰹がある。

それも1本、300円のものと、500円のもの。
大きさはあまり変わらないようだが、2種類。

これはなんの違いであろうか。

店の小父さんに聞いてみる。

これは産地の違い。
「500円の方は、土佐の高知の明神丸。」
「こっち(300円)は勝浦。」

「高知の方はモノが違うよ。
脂がのってる。」

明神丸というのは、いつであったか、
NHKの「プロフェッショナル」に出ていた、
若き日本一の鰹漁師の船?!。

おもしろそうである。ためしに、買ってみようか。

500円也。

帰宅。



40〜50cmであろうか。

一先ず、冷蔵庫に入れておく。

おろし始めたのは夜になってから。

最初に包丁研ぎ。
やっぱり、気持ちよくおろしたい。
出刃、刺身、それから、いつもそうだが家中の包丁すべてを
研いでおく。

まずは出刃で頭を落とす。


腹を裂いて、中骨から外し、二枚。



刺身包丁に持ち替えて、半身、真ん中から腹側と
背側に切り分ける。

真ん中の血合いを丹念に切り離す。

ん〜〜〜?!

このあたりで、気が付いてきたのだが、赤くない。
鰹というのは基本、身は赤いはずだが、、、、
白っぽい。

確かに、小父さんがいっていたように、
脂はあるようだが、その白っぽさではない。

ここまでおろしてきたのである、
刺身に切って、皿にのせる。

おろししょうがも用意。



どうであろうか、こんな感じなのである。

食べてみる。

脂はあるようだが、、、、
それ以前に生ぐさい、、、。

食べられないことはないのだが、、、。

この色の白さはなんであろうか。

魚が小さいが、子供だから?。

鰹や鮪の身が赤いのは、ヘモグロビンの色であったか。
高速で泳ぎ回る彼らは、たくさん酸素を使うので
赤い、と。

子供だから、まだ赤くないのか?。

数切れ食べるが、、、。

だめである。

翌日。

一応、もう半身残してあったものがある。

蒸して生鰹節(なまりぶし)にしてみようか。

蒸し器で15分ほど。
生ぐさいのもあったので、念入りに時間を取った。



ちょっとかじってみる。

うん。
まあ、食べられないほどではない。

これであれば、酢の物にできそう。

きゅうりを塩もみして、めかぶもあったので
裂いた生鰹節とともにぽん酢しょうゆをかける。



内儀(かみ)さんにも食べさせたが、普通じゃない、とのこと。

なんとか、リカバー。

はてはて、生のあの白っぽさはなんであったのか。

そして、あまりの生ぐささ。
さばいた手がかなり丹念に石鹸で洗っても生ぐささが
取れなかった。やはり、鮮度の問題であったのか。

あとで調べてみると、鮮度が落ちると、
変色するという情報もあったりして。

まあ、結局、目利きのできなかった自分を責める
しかあるまい。
これがアメ横の掟、で、あろう。

やっぱり、鰹はプロのものに限る、、。