浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



たけのこご飯 その2

dancyotei2016-04-20


引き続き、たけのこご飯の二日目。


炊くのは土鍋。

冷蔵庫から昨夜研いだ米を出す。

研いではあるが、浸水はされていない。

一番出汁に薄口しょうゆ、気持ち酒、で水加減。、


酒は浸水時間が長くなるのでかなり控えめ。

浸水時間は1時間ほどか。

その間にたけのこの味付け。

たけのこの穂先は最初から一緒に炊き込み、
大きく切った根元部分は後から混ぜ込む。

街の巨匠の中にはこの根本の部分を味付けをして
焼いたものを入れている人もあった。

ご飯の味付けとたけのこの味付けに濃淡があるのは、
どんなものなのか、という不安もあるが、
これをちょっといただこう。

私自身、しょうゆの濃い味で煮たのたけのこは好きである。

小鍋に出汁、酒、しょうゆ。
たけのこの根元部分を入れ、煮る。


いや、味付けは濃いめで、煮〆るといった方がよいか。

一度煮立てて、火を止め置き、しっかりと煮ふくめる。

さて、問題の油揚げ。

街の巨匠は二通りあって、存在感がなくなるくらいの
細かさに切って炊き込むのと、そのまま切らずに入れて
後で取り出してしまうというもの。

後で取り出すのももったいないし、別段存在感があっても
よいであろう。プロでもなし。

湯通しで油抜きをし、細い短冊に切っておく。

 


米の浸水の方。
1時間は経ったが、完全に米粒が真っ白になるにはもう少し。

待つか、炊き始めるか。
考えどころ。

むろん完全に浸水が終わった方が失敗はなかろうが。

だが、腹が減った。

え〜い。

いいか!。

炊き始めよう。

穂先と油揚げを入れて、ふたをして点火。

強火。

噴(ふ)いてきたら、五徳も移動して最少の弱火。

さあ、ここからである。

ふたを取って煮たたけのこを入れるタイミングを
いつにするか、で、ある。

チューボーですよ!では沸騰させて5分。中火で5分。
これで水分が飛んだのを確認して混ぜ込み用のたけのこを入れ、
弱火でふたをして5分、と、なっているのだが、
この作業をしている時点ではまだレシピのページは
アップされていなかったのである。

そこでいつも私が鍋で炊く方式でやってみたのである。

つまり、それが先の沸騰したらごく弱火にして
水分を飛ばす。

ある程度飛んでいる状態であるとみてふたを開ける。

ん!。
見た目で、米粒が堅そうな様子。
若干、浸水が足りていないのが、出てしまったか。

経験的に途中で水を足すのはあまりよいことはないのだが、
お玉に一杯弱出汁を全体にまわす。

そしてここに煮たたけのこをのせる。


 

もう一度ふたをし、ごく弱火は継続する。

これで完全に水分がなくなったら火を止める。

土鍋の場合はおこげができ始めるところで、
ごく小さな音だが、パチパチと言いはじめる。
これがポイント。

5〜6分であったか。

音が始まる。

OK。

火を止めて、蒸らしへ。

基本、もう炊けているはずであるが、ふたは取らずに我慢。

10分弱。

ふたを取る。


いい感じ。

味見。ちょっとつまんでみる。

お!。
見た目通り芯のようなものはなくなり、よく炊けている。

杓文字で下からよく反(かえ)す。

飯茶碗によそい、漬物も出す。


 

やっぱり、彩りとして木の芽があった方がよいが、仕方がない。

味は。
上々。飯もうまいし、たけのこもうまい。
油揚げの効果は?。
存在はわかるが、主張はない。軽い隠し味的なものであろう。

根元の部分を大きく切って、さらに濃いしょうゆ味にしたのは、
おもしろい試みである。
単調になりがちな炊き込みご飯の味であるが、
飯の味との変化が、うれしい。

しっかし。
たけのこご飯。手間がかかるわ。