浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



すみいか にぎりと天ぷら その2

dancyotei2016-02-24



2月21日(日)夜

日曜日。

引き続き、すみいか、で、ある。

昨日、にぎりの鮨にした残り、大きいものが二杯分ほどある。

これはやはり、天ぷら。

夕方、残りが少なくなってきたので、天ぷら粉と胡麻油、
それからおろし用に大根を買いに出る。

以前は小麦粉は薄力粉を使っていたが、
簡単なので、今は天ぷら粉一本になっている。

作る。

缶に入れてストックしてある揚げ油を
揚げ鍋に移す。

多少少ないので今買ってきた胡麻油を足す。

油は、サラダ油、胡麻油でも白いものなどもあるが、
やはり多少においのある黒い胡麻油が私は好み。

天ぷらという料理は江戸時代に江戸で発達したが
当時、油の精製技術がまだなく、天ぷらなどにそのまま使える油は
胡麻油ぐらいしかなく、江戸前天ぷらは色が濃い胡麻油になったという。

余熱をしておく。

ボールに玉子一個を割りほぐし、水を衣に必要と思われる量入れ、
氷を二つほど入れておく。

天ぷらはすべての用意をして、揚げてすぐに食べる、
やはりこれが一番。

皿を用意し、白い紙も折って置く。

天つゆは桃屋のつゆを器に用意。

大根は先の方、皮をむいて、おろしておく。

揚げ鍋の脇に新聞紙を置き、網をのせ、揚がった天ぷらの
油を切るスペースを用意する。

天ぷらを揚げる長い菜箸、油から天かすをすくう網を用意。

余熱のための天ぷら鍋の火はとめておく。

用意はこんなところであろうか。

OK。

冷蔵庫からいかを取り出し、一杯を半分に。
さらに1/3に切る。

天ぷら粉をそれぞれの種に両面つけてしまう。

ここで初めて天ぷら粉を玉子冷水に入れ、さっくり合わせる。
多少堅めを目指す。

天ぷら粉がタマになって残っていてもよい。
完全に混ぜる必要はない。

再度点火。

衣を落として、油温の確認。

ん。かなり温度は上がっていた。
よさそうである。

三枚ほど粉をふった種を取って、衣に入れ、油に次々に投入。

10秒ほど数えて、ひっくり返す。

油温は高温のまま。

いかの場合、全体で一分以内でよいだろう。

あげる。

続けて三枚。

まだあるが、一先ずこれで食べよう。
天ぷらは、揚げたてを食べねば意味がない。

皿の紙の上に天ぷらをのせる。



ビールを抜いて、食べる。

揚げ具合はまあまあであろう。
衣はカリッとしっかり。

天ぷら粉のおかげであろうか、最近はまず、失敗はしなくなった。
最初は、やっぱり、既製品に頼ってはいけない、なんという
やせ我慢で、なにも入っていない薄力粉を使っていたわけである。
また、衣のゆるさ、堅さ、油温の具合も感覚がつかめなかず、
長いこと試行錯誤をしていた。素直に天ぷら粉で十分。

ただ、やはり、今回のすみいか、
大きめのものは、ちょっと身が堅い。
7〜8cmを越えると、いけない。

残りを全部揚げて、さらに、エンペラも生のままだが
衣をつけて揚げてみた。

最後に残った、下足。

これも揚げてしまってもよいのだが、
茹でて、例の穴子の煮汁を煮詰めた甘いたれ、でもよいのだが、
今日はわさびじょうゆ。



こんなものも、うまいもんである。

さて、今回のすみいか。

御徒町の吉池などには並ぶことがあるが、そこそこ高価。
スーパーはもちろん普通の魚やにもまず並ばないし、
アメ横に安売りの魚やに並ぶこともかなり珍しい。
それで今回も迷わず買ったのではあった。

アメ横の魚やに並ぶのは、大漁で安くなっているものの場合もあるが
やはりどこかわけありのものが、まま、ある。
例えば時期外れの子持ちでパサパサの鯖であったり。

このすみいかも、大きいものはちゃんとしたすしやなどには
入れられないもの、と、いってよいのであろう。
しかし、それでも素人が料理をするには御の字。
私とすれば、満足である。