浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



北千住・居酒屋・大はし

dancyotei2015-12-06



12月3日(木)夜



今日は夕方、つくば。



7時すぎTXで帰ってきた。


このまま真っ直ぐ新御徒町まで帰るか、
はたまた、北千住、南千住、浅草で途中下車をするか。
迷いどころ、で、ある。


なんとなく、焼鳥で一杯やりたい、という心持ち
なのであるが、、。
この帰り道には、ピンとくる焼鳥やは、ない。


その上、よく考えみると、この季節、焼鳥でもなかろう。
やはり温かいもの。
おでん、煮込み、、そんなもの、か。


いや、やっぱり焼鳥は捨てがたい、、、。


TXにゆられながら、決まらずに、
つらつらとそんなことを考えていた。


お!。
北千住に着いた。


え〜い、降りるか。
とっさに、降りてしまった。


東武で栃木から帰ってきても、同じ北千住に着くのだが、
特急のせいか降りようという気にはならず、浅草まで
そのまま乗っていってしまう。


さて。
降りたはいいが、、、。


はて。
とりあえず西口の方に歩く。


立ち呑みの串揚げやといのもあるが、よし。
[大はし]をのぞいてみようか。


ご存知、北千住の名物居酒屋。


今まで、あまりにも有名なのであえてさけていた。
少し前に初めて入ってみたのだが、入ってみれば、
おそれることもなく、意外に居心地はよかった。


二階になっている西口駅前のテラスから降りて
路地を抜け、旧街道の商店街に出てくる。


北へ100mほどいった左側。


店前で待っていたらしき二人組が入ったところ。
硝子戸を開けて、続けて入ってみる。


奥にいたお父っつあんに一人と指を出す。
ちょっとまって、という身振り。


多少あいている席もありそうである。
硝子戸の前にある腰かけに座る。


と、待つほどのこともなく、お父っつあんが
声をかけてくれて、中のカウンター席へ。


前回はテーブル席であった。
初めてのカウンター。


カウンターに座ると視界が開ける。


カウンターの中は以前は調理場であったのかもしれぬが、
今はなにもないので、意外に広い。
お父っつあん達三人がいるだけ。
向かいの壁は透明な「キンミヤ」のボトルがズラッと
並んでいる。


お父っつあんが、すぐに、なんにします?
と聞いてくれる。


・・・早い。
あ、焼酎とレモン。


ウメじゃなくて?。


そう、ウメ割りがここでは主なのである。
薄赤い液体がフラスコのような瓶に入って
出てくる。


だが私は、レモンがよい。
ちょっと、お父っつあんに通じない。
用は、レモンハイにしたいのであるが、、、


レモンと炭酸。


と、わかってくれた。


それから、肉豆腐と肉の煮込み。
どちらも名物で同じ320円。


この前は肉豆腐をもらった。


鍋は、目の前にある。


あ?。
同じものである。


一つの鍋で、肉を煮込んでおり、そこに
豆腐も入れて煮込んでいる。つまり、肉豆腐に入る肉は
煮込みの肉と同じもの。豆腐が入るか入らないかの
違いなのであった。





あちゃ〜、同じものがきてしまった。
これは、聞き返しくれず、そのまま持ってきてくれた。


まあいい。
(慣れない客で、ご勘弁を。)


ここは肴の種類も豊富でうれしい。


壁の貼り紙を視て、牡蠣酢。





牡蠣酢というのは、今ではあまり聞かなくなっているが、
東京では古くからあった食べ方であると思われる。
明治の頃には、目黒川河口、品川あたりの東京湾
盛んに牡蠣養殖が行なわれていたのである。


うまいもんである。


レモンがもう半分あるので、焼酎と炭酸をもう一杯。


肴ももう一品。
ここには揚げ物もあって、クリームコロッケ。





俵型。
アツアツの揚げ立て。


これも、ばかうま。


いい感じに酔っぱらった。
勘定をして、出る。


焼きとんや、焼鳥や、串揚げ、安い居酒屋はたくさんあるが、
こういう老舗の居酒屋というのが、私は一番居心地がよい。
なぜであろうか。






足立区千住3丁目46
03-3881-6050