7月25日(土)夜
さて、引き続き、土曜日。
今夜は、年に一度の隅田川の花火大会。
浅草というところはご存知の通り、
世に知られたお祭り、縁日、市、
イベントなどが多いところではある。
もしかすると東京一、かもしれない。
浅草寺関係のものもあるしそうでないものもある。
5月の三社祭、7月のほうずき市。
同じく、花火大会。
8月にはサンバカーニバル。
11月は酉の市。
暮れの羽子板市。
その他、4月の流鏑馬、5〜6月の植木市、
11月の白鷺の舞などなどまだまだあるが、
大きくて比較的有名なものだけ挙げてもこれだけある。
私なども、全部どころか、近くに住んでいても
毎年のことで、ほとんどわざわざ見に行くこと稀ではある。
しかし、この元浅草の地に引越してきてから、15年ほどになるが、
花火だけは毎回必ず、見ている。
よんどころなく仕事などで東京を留守にすることでもなければ、
わざわざこの日に、出掛ける予定は入れるはずもない。
まあ、そういうことが一日もなかった、ということである。
ごった返す浅草中心部まで出掛けなくとも見えるというのもあるが、
花火だけはやはり、特別。別格である。
ただ、隅田川の花火大会は元来は浅草界隈のものではなく、
ご存知のように両国で行われて隅田川の川開きのものであった。
それが戦後、川の汚染によって一度途絶えた後、
復活の際に、浅草界隈に場所が移されている。
今、花火は二か所で上げられており、
第一会場の打ち上げが7時スタート。
第二会場が7時半から。
終了はどちらも8時半。
第一会場というのは、言問橋と桜橋の間で、桜橋寄り。
こちらは、私の住むところからは、見えない。
(いや、高いビルであれば第一会場も見えるのであろうが
地上からは見えない。)
で、第二会場がたやすく見えるのだが、こちらは厩橋と
駒形橋の間の厩橋寄り。
ここのほぼ真西に住んでいるので、路地に降りればビルに
1/3は隠れてしまうが、残りの2/3は見えて、見物にはまあ
許せる場所なのである。
いやいや、路地から見えるということは、本当は、
マンションの窓からも見えるのであるが、私の住んでいる部屋は
南西向きで、花火の上がる隅田川方向の東は窓から乗り出さなければ
見えないのである。
(同じマンションでも東側の部屋は居ながらにして花火見物が
できているはずである。)
毎年のことだが、この日は内儀(かみ)さんは
天ぷらやの蔵前[いせや]で天ぷらのサンドイッチ
天サンドを買ってくる。
これはいつもは、予約販売だが、花火の時だけ
店頭販売をしている。
海老天に真ん中はかき揚げ。
甘辛の天つゆ味。
多少の無理はあるのだが、食べられる。
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なぜ買ってくるのであろうか。
わからないが、この天サンドも含めて
我が家の花火の日の年中行事になっている。
7時から第一会場のTV中継とともに、天サンドで
ビールを呑み始め、7時半になったら、浴衣に着替えて
下駄を履いて、路地に降りる。
下では、やっぱり近所の人々が見にきている。
お爺ちゃんも、お婆ちゃんも、お父さんも
お母さんも、子供も。
皆で、見る。
立ちっ放しであるが、不思議と飽きない。
今はだれもいわなくなったが、
「たまやぁ〜〜〜〜」
「かぎやぁ〜〜〜〜」
がほめ言葉であったっけ。
一時間。
フィナーレ。
大都会のこんな建て込んだ、川幅150mほどの
川で花火大会をしているのは、ここ以外には
ないのではなかろうか。
享保17年(1732年)、今から283年前が最初。
日本最古の花火大会。
世界最古ではないのだろうか。
世界無形文化遺産になってもよさそうではないか。