浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



新宿西口メトロ食堂街・永坂更科布屋太兵衛

2月3日(火)夕



中央線で八王子方面から帰ってきた。
6時頃である。


帰り道は新宿で降りて、大江戸線に乗ろうか。


腹も減ったし、、、。


!。


[永坂更科]の立ち喰いで、豚肉天そばだ。


あれは、うまい。


[永坂更科]はむろん、ご存知の
麻布永坂にある老舗の蕎麦やである。


この出店(でみせ)が新宿西口のメトロ食堂街
という中にある。


普通老舗がテナントとして入っているのだが、
どうしたわけか、ここには立ち喰いコーナー
があるのである。


立ち喰いでも、ざるもあればかけもある。


が、それだけではない。


それが豚肉天そばなのである。


豚肉の入ったかき揚げがのったそば。


他にはどこにもない。


路麺にも、ありそうだが、ない。(と思われるが。)


これがうまい。


JRの西口改札を出て右。
メトロ食堂街というのは、東京メトロ
(昔は営団地下鉄であったわけだが)のビルになるので
そう呼んでいるのであろう。


丸ノ内線の西口改札の方に歩くのだが、
そちらへは行かずに、中二階のような
半端な階段を昇る。


昇ったところが、メトロ食堂街になる。


ここがいつできたのか。
私も記憶にはない。


食堂街というネーミングも古い。


他のテナントには[肉の万世]なども入っているので
やはり古いのであろう。


たいして広くはないスペースに
店舗数だけは多い。


ちょっと迷路のようになっており[永坂更科]に
たどり着くのに、ぐるっとまわってしまった。


テーブル席の店舗があり、入口の脇に
カウンターがあり、ここが立ち喰いコーナー。


食券制である。
自動券売機で食券、肉天そばのかけ、を購入。
冷たいもりの肉天もあるので注意が必要である。


780円であったか。


立ち喰いでも老舗[永坂更科]であるぞ、
ということか、安くはない。


カウンターの向こうには、白い上っ張りを着た小母さん一人。


「肉天そば」といって券を出す。


小母さんは、一杯〜〜〜と、奥に通す。


奥の調理場はテーブル席の調理場とむろん
同じなのであろう。


温かいそばが、一杯ぁぃ〜〜〜、で、
もりは、一枚ぁぃ〜〜〜。


茹ったそばを丼に入れて出てきたものに
小母さんは手元にある熱いつゆをかけて、目の前のショーケースに
入ってる肉天をのせて、はい、お待ちどうさまぁ〜、と出す。





ねぎをのっけて、食べる。


さすがに老舗蕎麦やのかき揚げ。


大きく厚く、しっかりしている。


豚肉はロースなのか、バラなのか、
わからぬが小さめに切られて入っている。


豚肉だけかと思うと、五分切りのねぎも
かき揚げには入っている。


かき揚げにねぎを入れるのは、
路麺などでなくとも、比較的定番ではあろう。
これも、うまい。


ただやっぱり、かき揚げ天そば、というのは
富士そば]であろうが、[独立系路麺]であろうが、
[池の端藪]であろうが、大筋では大差はない。


かき揚げ天そばがうまいのは、
つゆに馴染んで、ふやけてきた衣が
うまいのである。


そういう意味で、具がなんであっても
本質はかわらない。


だがやはり、そうはいっても、芝海老、いか、
玉ねぎ、春菊、その他いろいろのかき揚げは
愉しく、うれしく、うまい。


それが、豚肉とねぎ。


他にはない、ここだけの味。



うまいもんである。





永坂更科