12月5日(金)夜
さて。
大根、である。
先日、鶏と鍋にした。
あれも作った翌日以降も温め直して食べた。
大根というものは不思議なものである。
煮え立てもさることながら
時間が経っても、またうまい。
あの大根はあと半分ある。
うまいうちに食べてしまおう。
思い付いたのは、甘辛く煮ること。
甘辛の大根というと、やはり真っ先に思い浮かぶのは
鰤(ぶり)大根、で、あろう。
仕事のあるウイークデーにピンポイントで
鰤、または鰤のあらを手に入れるのは、難しい。
ようは油(脂)のあるものと一緒に煮ればよいのであろう。
そう、肉であれば、例えば豚ばら。
作ったことはないが、よいかもしれない。
少しレシピを調べようと検索をしてみた。
と、驚いた。
あるは、あるは、豚ばら大根というのは、
とんでもない人気メニュー、ではないか。
手作りのレシピだけでなく「○○○ドゥ」シリーズでも
豚ばら大根は売れ筋のようである。
子供が好きなのか。
知らなかったのは私だけだったか、、。
よし。
こうなったら、レシピ類はなにも見ずに
自分のセンス(それほどのものでもないが、、)だけで
作ってみようじゃないか。
どちらもよく知っている材料である。
そう難しいこともあるまい。
が、ここで問題はスライスか、塊か。このことである。
煮込んでうまいのは、間違いなく、塊である。
いわゆる豚角煮、あるいは、私も作るが、沖縄のラフティー、である。
しかし、角煮は時間がかかりすぎる。
まあ、柔らかくするには2〜3時間は必要で、
大根の煮える時間とも合わない。
折衷案というのか、次善の策は、
塊を一口半程度に切っておくというものがあろう。
随分迷ったのだが、結局無難そうなスライスにしてしまった。
ただし、焼き肉用の少し厚めのもの。
帰宅し、作る。
最初に今日はまず、金曜なので、炭を熾し火鉢の準備。
同時に、燗をつけるための鉄瓶も熱くして用意。
大根。
大根は、やはり厚いものがよかろう。
皮をむき、鶏の鍋同様、厚さ2cmの銀杏切り。
5mmほどの厚さの豚ばらは、幅2cm程度に切る。
そして、やはり下煮は圧力鍋。
大根と豚ばらを入れ、水はヒタヒタよりも少なく。
柔らかくしてからそのまま味を付けるつもりなのだが、
甘辛の濃い味にしたい。
で、あれば煮汁は少ない方が濃く煮詰めやすいであろう。
例によって加圧後、弱火で5分。
火を止めて放置、20分ちょい。
ふたを取り、様子をみる。
OK。
ここに、しょうゆ、酒、砂糖。
煮詰めることも考慮するが、ここでも濃いめ。
鷹の爪を入れようかととも思ったのだが、
今回はノーマルになしにしてみる。
一度煮立てて、弱火で10分ほど。
多少煮詰まってきた。
仕上げに、みりんも。
どのくらい効果があるのかわからぬが、
ぶり大根などでも使うが、照りが出る、という。
さらに3〜4分。
OK。
なかなかいい色にはなってきた。
もう少し煮詰めたいところだが、早く食べたいので
皿に盛りお膳に運ぶ。
一合のお銚子に酒を注ぎ鉄瓶へ突っ込み
上燗に燗をつける。
大根の味はなかなか。
それなりに味は染みている。
ただ難をいうと、豚ばらの存在感、で、ある。
量はそこそこ入っており、脂も出て、大根に対しては
よい影響を与えているのであるが、煮ている間に小さくもなるし
どうも添え物のような雰囲気になってしまった。
やはり、小さ目に切った塊の方がよかったかもしれぬ。
酒は辛口の菊正宗。
濃口しょうゆの甘辛料理には、これしかないという相性である。
うまい。
さて、これは翌日。
瑞々しさという点では劣るのだが、
味の染み方からすれば、むろん翌日の方がよい。
やはり大根というのは不思議、で、ある。
どちらもそれぞれに、うまい。