浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



鶏皮ぽん酢、鶏皮煮

dancyotei2014-12-02



引き続き、土曜日。


鶏皮、で、ある。



焼き飯にして、次は鶏皮ぽん酢。


よく焼鳥やのサイドメニューにも必ずある。
うまいものだし、かなりの好物、で、ある。


だが、これは簡単。


茹でた鶏皮を、焼いてぽん酢しょうゆをかけるだけ。


なのであるが、いくつかのポイントはある。


そもそも、茹でただけ、または焼いただけでは
いけないのか。


むろん、それでもよい。
ただ、茹でて焼いた方が、うまい、のである。


鶏皮というのを料理をしたことがある方なら
おわかりになろうが、鶏皮でも、脂のある分厚い部分と
そうでなく、文字通り皮だけの部分がある。


皮だけの薄い部分は茹でただけ、あるいは
香ばしく焼いただけでも十分ではある。


だが、脂の多い分厚い部分は、脂が強すぎる。
薄い部分とのバランスもよくはない。


先に茹でることによって、ある程度全体の
脂を落とす。


そして、焼く前に脂の分厚い部分は小さ目に切る。


これで焼く。


焼くのは、オーブントースターにアルミホイルを
敷いてもよいが、今日はガスの魚を焼くグリルで焼いた。


(魚を焼くグリルは、多くの皆さんのご家庭でそうであろうが、
目皿に水を張り、その上に横棒だけの網があると思う。
これだけであると、細かく切った鶏皮などは下に落ちてしまう。
それで、私はこの横棒だけの網にのる小ぶりの餅網をのせて
下に落ちぬようにして、焼く。)


焼き加減は多少焦げ目が付くくらい。


そして、先ほどの小さ目に切った脂の多い部分は
薄い部分よりも長めに時間差をつけて焼く。
これでより脂が落ちる。


さて。


もう一つのポイント。


鶏皮ぽん酢には、白髪ねぎが欠かせない。


あってもよい添え物、ではなく、絶対に必要であると
思われる。


そして、できればあらかじめ水に漬けて辛みを少し
取っておきたい。


白髪ねぎの切り方は、私はプロのようにできぬので
斜めに薄く切って、これを千切りにする。


そして、水に漬けておく。


焼いた鶏皮に市販のぽん酢しょうゆをかけて
水に漬けた白髪ねぎをのせる。







この写真はお上品に白髪ねぎは、パラッ、であるが、
しこたまが本当は、よい。
そして、ねぎもまた、うまい。


もうこれ、酒の肴としては、いくらでも食べられる。


うまいもんである。


さて。


鶏皮でもう一品。


茹でた鶏皮をさらに、甘辛く煮る。


ただ、しょうゆと酒、砂糖で煮ればよいのだが、
軽く甘辛く煮て、さらに、やっぱりストックしてある
焼鳥のたれをかける。





まあ、焼鳥の皮焼とにたようなもの、
ではあるが、これもまた、酒の肴としては
堪えられない。


そして残った煮汁を煮詰めれば、これはまた焼鳥のタレになる。


しかし、鶏の皮、というのは、考えてみれば
不思議なものではある。


私にとっては、酒の肴としてこれほど愉しめる
ものは他にはなかなかないのではなかろうかと思うのである。


それもたいした手間をかけずに。


ひょっとすると、鶏肉本体よりも、ずっと愉しめる。


さて。


今日は、もう一つ、おまけ。



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これは翌、日曜日の第一食。



酒盗の湯漬け。



酒盗とはご存知のように鰹の内臓の塩辛、で、ある。


酒を盗んででも呑みたくなるほどうまい肴だから
その名前が付いた、という。
むろん、酒の肴でもよいのだが、
こうして、飯にのせて湯をかけ、ねぎのみじん切り
なんぞを散らす。


熱をかけると塩辛は形をなくし、濃い旨みの出汁になる。


簡単で実にうまい湯漬けになる。


それで、もうここなん年もうちの冷蔵庫には
欠かせない。