浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



やりいか煮〜タンメン

dancyotei2014-11-18



11月15日(土)



さて。



土曜日。



引き続き、やりいか。



冷凍しておいたものはまだまだある。



この前の宿題であった、江戸前(?)の甘辛に煮てみようか。


まずは、2〜3杯、水で解凍する。


鍋に、水、酒、しょうゆ、砂糖。


甘めの濃い味の煮汁にし、煮てみる。


煮上がったものは取り出し、煮汁に砂糖を足して煮詰め、
穴子同様の、甘いたれにしてかけてみる。





甘辛が強いので、ちょっと蛸の桜煮のような感じになった。
(蛸の桜煮というのは、べっとりと甘辛で、ホロホロに柔らかい
日本橋[弁松]のものがイメージである。)


確かに、やりいかはよく煮てもそこそこの
柔らかさを保っている。


今は、東京の鮨やでもここまで濃い甘辛のものは
みたことがない。


甘辛に煮たものがいける、とするとこれはやはり、
にぎりの鮨をやってみなくてはいけなかろう。


さて。


午後、合羽橋を見てこようと、自転車でぶらぶらと出る。


もともと合羽橋というのは、プロ用の陶器、調理機器等の
商店街なので、土日には閉めているところがほとんどであったが、
最近は一般の人、外国人観光客が増え、開けているところも
大分に増えている。


今日も随分と人が出ている。


そしてさらにそういった、一般の人々や外国人を当て込んでか
ただ昔ながら、既製品を所狭しと並べたものから、
お洒落な内装のところも増えている。


また、古道具を扱うところもポツポツと見えるようになった。


最近は和食器でも、例えば民芸系だったり作家性の高い新品ではなくて
普通の日常用の伊万里や、京焼なのだが多少時代のついたものなんというのを
使うところも出てきているようにも思われる。


今日買ったのは食器ではなく、飯台。


酢飯を作るためのもの、で、ある。


今までは、プラスチックのボールを使っていたのだが、
やはり木製のものをと考えていたのである。


飯台も、本式のものを合羽橋で探すと家庭用の小さいものでも
4000円なんという値段になる。


だが、合羽橋には安いものはあり、私などが使うのであれば、
十分であろうと、同じ大きさで中国製の1000円程度のものを
買って帰った。


さて。


翌、日曜日。



やりいかのにぎり鮨は、夜として、第一食はタンメン。


実は、今日はちゃんぽんが食べたかったのだが、
近いもので、タンメンになった。


タンメンというと、東京では最近[トナリ]なんというのが、
存在感がある。


ちょっと調べて近所にちょっと新しい店を発見。
行ってみることにした。


店の名前は[竹ちゃんタンメン]という。


タンメンというのは、むろん以前から町の中華や、あるいは
ラーメンやの定番メニューで今さらのもの、ではあるが、
[トナリ]以来なのか、タンメンを売りにするところも
出てきている。


場所は、昨日の合羽橋の通りと言問通り交差点そば。


1時前に自転車で出掛ける。


言問通りの南側、交差点からちょっと入谷方向へいったことろ。
小さな店、で、ある。


比較的年嵩(としかさ)の男性一人でやっている。


ノーマルなタンメン。






見た目は野菜たっぷりのタンメン。


ただ、食べてみると、、、。


スープが独特。


普通のタンメンであれば、白湯(ぱいたん)というのか、
さっぱりしたスープに野菜のうま味を煮出したもの。


それが、まるでとんこつのような、濃さ。


なんであろうか、これは。


鶏のスープ、と書いてはあるが、最初は
こっそりとんこつも入っているのかと疑った。


が、食べていくうちに、わかった。


鶏の水たき鍋で白濁した濃いスープを出す
ところがあるが、あれ。


鶏の骨の髄を煮出したものなのであろうか。


ただ、先に書いたように、タンメンの野菜の
うま味が溶けだしたスープという側面に、
物足りなさが残るか。


ただ、この工夫は特筆すべきであろう。


ちょっと、おもしろいタンメンである。






竹ちゃんたんめん
台東区松が谷4丁目25-7
03-6231-6331