浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭の夏休み「セイシェル」その5

dancyotei2014-08-25



セイシェル二日目。

ダイビング後、ビールを呑み昼飯を食べて部屋に戻る。

部屋に戻ると、持ってきた本を読みながら、
昼寝。

我々の場合いつもそうなのだが、
こういった南の島のリゾートにくると、
ダイビング以外は、基本、なにもしない。

海外でも都市に行けば、むろん観光はする。

ここセイシェルでも小さな町だが首都のヴィクトリア
というところへいってみてもよいし、また、
岩山があるので、登山やらロッククライミングをする人は
そういう楽しみ方もあるよう。
また、さらに離島、鳥がごちゃまんといるバードアイランドだったり、
固有種のゾウガメがいる島(アルダブラ環礁)、
あるいは、ココドメールという女性の下半身のような
エロティックな形をした不思議な実のなるヤシの木がある島
(ヴァレ・ド・メ自然保護区)、この二つはどちらも世界自然遺産
などなど、まあ、探検しようと思えば、見るものは沢山ある。
だがまあ、よい。

ダイビング以外、なんにもしない。

日常の仕事や生活からのエスケープ。
そういうすごし方に決めている。

さて。

昼寝から起きて、夕方。

やはり、セイシェル
この一文の最初にも書いたが、夕日を見なくてはなるまい。

♪「ほら セイシェルの夕陽が 今 海に沈んでくわ〜
  真っ赤なインク 海に 流してる
  あなたにも 見せたいわ〜」

作詞は松本隆先生。
言わずと知れた「セイシェルの夕陽」。

聖子ちゃんの7枚目のアルバム「ユートピア」。
1983年、私などは20歳の大学生であった。
このアルバムはレコードで今でも持っている。

この歌詞も、ソラで出てくるし、むろん歌うことができる。

一人でセイシェルへきて、わらの屋根のバンガローに
泊まって、夕日を見る。ちょっと寂しい歌詞。
シングルではなかったはずだが、とても印象的であったので
今でも覚えているのであろう。

ちょうど、我々のヴィラの前のビーチは真西向き。
おそらく夕日が見えるだろうと、昼間からあたりは
つけておいた。

日の出が午前6時。
日の入りも午後6時。

ここに送ってくれた旅行代理店の
お兄さんがそう言っていた。
今朝の日の出は、確かに6時であった。

5時45分すぎ、暮れかかったビーチへ出てみる。
ビーチのデッキチェアにいた人々もほとんど引けている。
あとは散歩をしている人だけ。

曇っていたが、西の方角は雲は切れて傾いた太陽は
見えている。

ただ、惜しいかな。
このビーチからは海ではなく、岬へ沈みそうである。

 



こんな感じで沈んでいった。

セイシェルでなくともこのくらいの夕日であれば、
どこか別の南の島、例えば同じインド洋のモルジブなどでも
見られそうな気もする。

場所もさることながら、天気である。
今回、8月にセイシェルにきたわけだが、ダイビングには
ベストシーズンではないと聞いた。

書いている通り、外洋に出ると波が高い。
それで行けるポイントも限られているようである。
聞くところによれば、4〜5月、もしくは、10月以降の
方がよいという。

やはり、その頃の方が、よい夕日が見られるのかもしれない。

さて。
夕飯。

場所は、朝も昼も食べたヴィラの隣のレストラン。
バッフェで、ここの今日のテーマは、クレオール料理、
とのこと。

説明をせずにクレール、クレオールと書いてきたが、
私などもそうだが、クレオールというと、アメリカの
南部の料理のことを思い出す。

クレオールという言葉の本来の意味は
フランス語、スペイン語などで、植民地生まれの、
という形容詞が元のようで、セイシェルアメリカ南部、
ルイジアナ州も元はフランス領で共通している。

セイシェルでは言葉もフランス語が訛ったものだが
クレオール語、料理もローカル料理をクレオール料理
と呼んでいるようである。

並んでいる主な料理を撮ってみた。

牛肉だが、ココナッツのソースで煮たもの。

マッシュポテト。

魚、ココナッツとサフランのソース。

いか。Grilledとしてある。

キャプテンフィッシュ(?)のグリル。

ポークのロースト(パイナップルソースかけ?)。

一皿にまとめる。
左上のスープは「レッドスナッパーフィッシュのスープ、つみれ(?)入り」。

凝った料理ではないが、〆て、どれもなかなかうまい。

魚好きの日本人には馴染みやすいと思われる。
例えば、ココナッツなどを使っているが、
インドやタイのように強い香辛料や、コリアンダーのような香草も
ほぼ使われていないのも食べやすい要因である。

いか焼きは、懐かしい夜店の、まったくの日本のいか焼き。
使ってはいなかろうが、しょうゆをかけているのではないか、
というような味。

さらに、秀逸なのが赤いスープ。
「レッドスナッパーフィッシュ」がなにものかというと
フエダイという南方の魚のようで、沖縄などでは高級魚
であるという。
ただ、スープの味は、トマトベースなのだが、魚の出汁よりも
蟹か海老の味噌の味でどちらかを使っていると思われ、
これがうまい。白飯が欲しくなる。お替りをしてしまった。

 

つづく。