浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



稲荷町・洋食・レストランベア本店

12月20日(金)夜

さて。

金曜日。

明日から毎年年末の恒例で内儀(かみ)さんと箱根に
年賀状書きに出掛ける。

夜、仕事が終わり、書くべき年賀状のピックアップをしに
上野駅前のキンコーズに向かう。

年賀状書きといっても、宛名と一言を手書きするだけ
ではある。

他の部分の住所その他を官製の年賀はがきに印刷してある。

以前は、原稿を作っておき、同じく上野のキンコーズ
カラーコピーしていた。しかし、これを昨年あたりから、
ネットからキンコーズにデータで入稿し、書く直前に
上野店で印刷されたものをピックアップする、という方法にしている。

ネット経由というのはいささか不安もあったが、間違いもなく、
カラーコピーよりもきれいに仕上り、手間もない。
価格的にも安くなっている。

便利なものである。

上野駅前のキンコーズというのは、昭和通りと浅草通りの
交差点、北東の角にある。

印刷の仕上がりを確認し引き取り、勘定をして出る。

さて。

なにを食べようか。

この浅草通りを渡ったところにあるそばや[翁庵]で一杯やって、
つけ汁にかき揚げの入った、ねぎせいろ、
もよいと思ってきたが、ちょっと寒いか。
温かいそばでもよいが、、。

いや、もうちょっとヘビーなもの、洋食はどうだろう。
ここであれば、うちのもうご近所になるが稲荷町[ベア]にしようか。

浅草通りを渡って、路地に入り、下谷神社の裏を抜けて東へ歩く。

この店は、特段有名な店ではなく、まあ、気の置けない下町の洋食や、
といってよかろう。

出前もやっており、家で取ったりもできるので重宝している。
場所は、東上野2丁目で、稲荷町の交差点からだと
清洲橋通りを南に下り、3本目を右に入ったところ。
永寿病院の通りである。

この界隈というのは、オフィスビルもありながら、昔からの長屋も少し
残っていたり、マンションもあったり、というところ。
上野駅からも歩いて10分程度。

割合とすれば、清洲橋通りを渡った東側、私の住む元浅草よりも
上野駅に近い分、多少、オフィス、マンション率が
高いところかもしれない。

私が寄るのは基本、夜、仕事帰りである。

昼は、この界隈で働いている人々の昼飯の需要を満たしている
のであろう。

店に入ると、先客は男二人。

世間は今日などは最後の忘年会日であろう。
街はにぎわっていた。

店は明るくて広い。
テーブル席にカウンターもある。
厨房には男性二人ともう一人の料理を運ぶ小父さんで、都合三人。
三人とも50以上の年恰好。
無駄口は一切きかず、テキパキと仕事をしている。
かといってお客には愛想がわるいわけではないのが私は気に入っている。

洋食であれば、なんでもある。
カレーからハンバーグ、フライもの、しょうが焼き
その他、セットものもある。

洋食やと定食やの違いはなにか。
焼魚のようなものがあるのかないのか、で、あろうか。

定食やというのは、昔は大衆食堂といわれていた店であろう。
カレーやフライものもあって、焼魚に煮物など、和食の
メニューもある。

これに対して、洋食やは焼魚のような和食メニューはなくて、
洋食でも多少手の込んだ、グラタンだったりクリームコロッケ
のようなもの、あるいは、自家製のデミグラスソースがあれば、
ハヤシライスのようなものもある店ということか。

テーブル席に座ると、ここも新聞をおいてくれる。

瓶ビールをもらって、
季節のもの、カキフライをもらうことにする。

ビールがきて、お新香だけ、つまみ用にか、先にくる。

待っている間、パラパラと男一人のお客も入り、
また、出前の注文なども入る。

カキフライがきた。



比較的大盛りのライスに味噌汁。
味噌汁の実はもやしにわかめ。

カキフライは五つで、タルタルソースつき。
付け合せにケチャップのスパゲティー。
キャベツの生野菜。

今年、カキフライは初めてである。
昨年は、なんの影響か粒が小さかったようだが、
これはなかなか大ぶり。

うまい。

ライスに味噌汁。
洋食やで味噌汁をつけるところはさほど多くはないかもしれない。
この感じは、洋食やというよりは、食堂に近いかもしれない。

なんにしろ、腹も一杯。
大満足。

ご馳走様でした。

勘定をすませ、いつもありがとうございます〜、の声に送られて、
店を出る。
この店はとっても愛想がよい。

こういう店が近所にあるのは、やはりありがたい。

さて。
明日から、箱根だ。

03-3831-6430
台東区東上野2-2-9