浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



海老フライ

二日戻るが(先週)日曜日。



11月24日(日)夜


海老フライ、で、ある。


きっかけは土曜日の「チューボーですよ!」


海老フライというのは洋食の定番、なのであろう。


日本の海老の消費量は世界一と聞いているが、
魚同様、日本人は世界でも無類の海老好きであることは
間違いなかろう。


海老は注連飾りなどにもつけたりするが、腰の曲がるまで長生きする、
ということであったか、おめでたい縁起物でもあるし
頭つきであれば、魚同様、尾頭付きでこれもおめでたい。


海老フライを嫌いという人もあまりいなかろうが、
実は私自身、最近まで海老フライはたいしてうまいものでもないと
思っていた。


なぜかというと子供の頃から、我が家の食卓には
あまり上がらなかったからではなかろうか。
(母親が嫌いだったのか、面倒だったからか。
貧乏だったか。)


それで、海老フライといえば、仕出し弁当などに入っている、
どうでもいい小さくて冷めたものだった。


肉や魚のフライものよりも海老フライは冷めると
とても食べられない。


このためほとんど外で自ら海老フライを頼んで
食べることはなかった。


うまいと思うようになったのは、浅草寿町のとんかつや
[すぎ田]の特大海老フライ。


名物だ、というので頼んでみた。


まあ、大きいのは別として海老フライの揚げたては
むろんうまい、ということに遅ればせながら
気が付いた、というわけであった。


作る。


タルタルソースは必須。


これは内儀(かみ)さんに託す。
私はゆで玉子が苦手だが、内儀さんは得意にしている。


マヨネーズに入れるのは、硬ゆで玉子に水にさらした
玉ねぎみじん切り。
ピクルスは切れていたので、ケッパーのみ。


また、付け合わせのレタス、セロリの用意も
内儀さんに頼む。


海老フライそのものはむろん私が作る。


海老はハナマサで買った、冷凍のブラックタイガー


頭はなし。


6〜7cmでさほど大きいものではないが、
トレーにきれいに並べられている。


冷水解凍。


肉や魚に比べて海老は水分が多いからか、冷水で
簡単に解凍できる。


頭はないが殻はあるので、むく。


衣の用意。


玉子を割りほぐす。


とんかつでもいつもそうなのだが、水と氷を入れて、
玉子冷水にしているのだが、今日はレシピ通り、
全卵のみ。


パン粉も大き目の器に用意。


揚げ油を用意し余熱。


海老には軽く塩胡椒をし、全体に薄力粉をまぶす。


今日のレシピのポイントは衣付け。


浅草の[大宮]のものであったか。


玉子をまぶし、その後パン粉で終了なのだが、
今日は一度パン粉を付けてから、もう一度玉子、
さらにパン粉。


パン粉がしっかりつく、という意図であろうか。


これ、やってみると、パン粉がちゃんとつくことは
つくのだが、玉子の方に段々とパン粉と小麦粉が出て行って
衣が厚くなっていったような、、。


それから、全卵のみなので足りなくなり、途中で


玉子を足さねばならなかった。


揚げる。


とんかつはよく揚げるのだが、海老フライは初めて。


海老は肉よりも火が通りやすかろう。


高温で短時間。


よい色になれば、あげる、で、やってみた。


OK。


見た感じは、なかなかしっかりした衣で、
カラッと揚がった。
このくらいの大きさであれば、とんかつよりも簡単かも。


生野菜を盛り付け、海老フライものせ、タルタルソースも
添える。







やはり、海老フライ、揚げたてはうまいもんである。
このくらいの大きさの海老でも十分である。


揚げあがりもサックリ上々。


とんかつなどでは衣がよくはがれてくるが、
海老フライの方は、今回だけでなく、一般に
はがれずらいのではなかろうか。


熱が入ると、肉も海老も縮むだが、肉よりも海老の方が
収縮率が少ないのか。
あるいは、今日は衣の全卵を使う、パン粉の二度付けなど、
衣が多少違っていたのがよかったか。


ともあれ。


やっぱり海老フライ。
うまいもんである。