11月22日(木)夜
さて。
夕方、今夜はなにを食べようか考えていて、
飯田橋のラーメンや[高はし]に決めた。
熱〜い、塩味のスープ。
どうもこの頃、風邪気味なのもあってか、
夕方になると温かいものが食べたくなる。
[高はし]はご存知であろうか、四谷しんみちにある[こうや]の分かれ。
四谷の[こうや]の方は東京のラーメンやとしても名前は知られた
老舗といってもよいだろう。
名物は塩味のワンタン麺なのだが、その他の中華メニューなしに、
[高はし]はこのワンタンを含めた中華そばだけで独立した。
場所は飯田橋なのだが、ちょっとヘンなところにある。
JRの飯田橋駅の水道橋寄りのホームからも北側に見える。
お分かりになろうか。
より大きな地図で 断腸亭料理日記・飯田橋[郄はし] を表示
飯田橋東口の駅前はちょうど交差点になっており、
さらにその下が、外濠と神田川(江戸川)の交差点にも
なっている。
このため、交差点自体が、橋、に、なっている、のである。
その神田川っ縁の細長い小さなビルの1階にある。
江戸の地図。
江戸の頃というのは、現代のように牛込側から南への橋はなく、
神田川(江戸川)の牛込側から東、小石川側へ船河原橋という
橋が架かっていただけ。
また、船河原橋の下の神田川(江戸川)には堰が設けられてあり、
上げ潮による逆流を防いでいたという。
堰からは、上流からのあふれた水が、どんどん、という音を立てていたので
ここを別名どんどん、といっていたという。
余談だが、「神田川(江戸川)」と括弧書きの書き方をしているのは、
現代ではこの川はすべて神田川だが、江戸の頃は、
ここまでが神田川で、ここから上流は江戸川と呼ばれていた。
それで、少し上流には江戸川橋という有楽町線の
駅名になっている橋があったりするのである。
さらに余談になるが、どんどん、というのは、
江戸ではまだあって、どこにあるかご存知であろうか。
溜池、で、ある。
これが溜池のどんどん。
これは広重の江戸名所百景の『虎の門外あふひ坂』というもの。
今の虎の門の文科省、霞が関ビル付近。
こちらはやはり外濠だが、浜御殿(現浜離宮)から汐留川
さらにこれが新橋から外濠につながり、虎の門。
ここまで潮があがってくるので、堰を設けていたというので
あろう。
堰というのがこんな感じのものであったというのが
わかるだろう。
今は、虎の門の方は外濠自体がなくなっているが、
飯田橋の方の神田川はそのままある。
と、いうことは、このあたりはまだ、上げ潮の時には
水位が上がっている、のであろうか。
7時すぎ、オフィスを出てタクシーで向かう。
大久保通り経由で、ほぼワンメーター。
JRガード手前で降りて、店へ。
列もない。
以前はけっこう列にもなっていたと思うが、
最近は、あまり見かけない。
サッシのガラス戸を開けて入る。
主人一人と、もう一人お兄ちゃん、二人だけ、
カウンターのみの小さな店である。
先客は二人。
ここはすいていても、座る席を指定される。
一番奥。
鞄は下の棚へ置いてください、と、これも注文される。
いろいろ、ここは注文が多い、のである。
ここでは私はワンタン麺に決めている。
店の品書きでは漢字で、雲呑麺と書いてある。
しばし待って、きた。
あふれんばかりのワンタン麺。
まずスープから飲む。
このスープ、表面は油が浮いており、これがまた熱い。
だが、うまい。
塩味なのだが、ちょっと白濁したもの。
熱い塩味のスープは腹に染み渡る。
麺は玉子麺であろう。
ワンタンもたっぷり入り、うまい。
たっぷりなので、食べ応えもある。
うまい、うまい。
腹一杯。
ご馳走様でした。
大満足。
この店ができてからも、10年以上は経っているのでは
なかろうか。
基本、この味を続けているといってよろしかろう。
ここは熱いスープが命である。
ぬるいのはいけない。是非是非、変わらず続けていただきたい、
というのが個人的なお願いではある。
03-3239-5274
千代田区飯田橋3-11-30 千代田街ビル 1F