浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



オムライス

10月5日(土)深夜

深夜、どうしてもオムライスを作りたくなった。

理由は単純。「あまちゃん」が終わって、NHKの朝の連ドラは「ごちそうさん
というのが始まっている。これでオムライスが登場していたから。

あまちゃん」は“国民的”とまで言われるほどの人気になったが、
私の場合、人気、不人気に関わらず、朝の連ドラはここなん年も視続けている。

先週「ごちそうさん」をご覧になった方はお分かりであろうが、ドラマは今は
明治〜大正の洋食やが舞台で、ドラマの中で、原田泰三が“赤ナスご飯”を
オムレツで包んだ、オムレットライス、なるものを考案している。
(赤ナスというのは、トマトのことで、赤ナスご飯はケチャップライス?、で
チキンライスになるのか。)

(ちなみにオムライスが実際にいつどこで考案されたのか。ウィキペディアによれば
東京では明治33年に[銀座煉瓦亭]という。)

まあ、これを視て、オムライスを作ろうと思い付いたわけである。

なん度か書いているが、オムライスというのは、洋食やでは人気メニューなのだが、
実のところ、私はあまり得意ではない。

チキンライスは好物であるが、オムレツが今一つ、なのである。
なにがだめかといえば、生温かい半熟玉子が生ぐさく感じるのである。
(生玉子は好きだし、温かい半熟玉子も好きである。
中途半端に冷めてきた半熟玉子がだめなのである。)

そんなわけで、チキンライスは頻繁に作るのだが、
オムライスは滅多に作らない。
従って、ちっとも上手くならない。
(オムライスに限らず、玉子焼き、いわゆるだし巻き玉子も下手である。
玉子料理というのは、火加減がポイントなのか、どうもむずかしい。)

今日は、ちょっと上手くなろうかと発起してみたわけである。

オムライスの最大の難関は、玉子焼きでチキンライスをくるむところ。
コツのようなものも、たくさん書かれている。

一通り、いろいろなページを読んで頭に入れてみた。

さて。

今日はご飯もないので、飯を炊くところから。
早く炊けるので、ガス+鍋で炊く。

浸水1時間に炊く時間は15分。
炊きあがって蒸らしまで終わったのは、深夜2時。

玉ねぎみじん切り、解凍した鶏もも肉を小さく切る。

フライパンを熱し、バターを入れ、玉ねぎ、鶏肉を炒める。
ある程度火が通ったらウイスキーを入れてフランベ。
いつもはブランデーだが、切れていたのでウイスキーで代用。
塩胡椒で味付け。

ここに炊き上がったご飯を1合分ほど入れる。

よく合わせて、真ん中を開けてスペースを作る。
ここにケチャップを投入。しばらく煮詰める。
火は中火。

ケチャップが煮立ってきたら、まわりのご飯と合わせる。

やはり、これをやると、ベトベトにならないようである。

若干、ケチャップが足らないのでもう一回。

味見。
OK。

皿に取って、フライパンを一度洗う。

ここからが問題の玉子焼き。

玉子は3個。
割りほぐし、よく腰を切る。

ここに少量の砂糖と酒、それからマヨネーズ。
(以前どこかに出ていたレシピである。)

フライパンを熱し、バター。

溶けたら玉子液を投入。
強火。

いわれている通り、菜箸で真ん中をかき混ぜる。

ある程度固まってきたら、真ん中より向こう側にチキンライスを形を整えて
のせる。

ここから、、、?

フライパンの柄をトントンと叩きながら、、、

などというが、皆目コツがつかめない。
これが動いて、くるめるとはとても思えない。

だめだ、あきらめよう。
火を止め、フライパンをコンロからはずす。

皿を用意し、このままひっくり返せば、一応、オムライスらしいものには
なる。

トン。

ありゃ。

皿に落とすときに、破れたうえに、焦げ目までついてしまった。
破けたところは、ケチャップで隠す。



かなり惨憺たるもの。

火が強かったのか、もたもたしていたからか。
両方か。
(玉子というのは固まり始める温度が決まっている。
火加減とフライパンの温度のコントロール。この加減がむずかしい。
感覚的にいうと、火加減よりも後からフライパンが熱くなる。
これを予測しなければならない。
今日は強火でやってしまったが中火、あるいは、弱火の方が
素人には扱いやすいのかもしれない。
そうだ!。思い出した。私、スパゲティーカルボナーラのソースは
得意にしている。これも半熟で止める。玉子ソースを入れてからは
予熱で半熟まで固めていた。)

誰か、上達するまでのレポートを書いていたが、
これはもう、なん度もなん度もやって、覚えるしかないものであろう。

半熟が嫌いと書いたが、自分としては、オムライスの場合、
焦げ目がついてしまうくらいでもなんら構わない。
ただやはり、多少は上手くなりたいではないか。

食べるものであるから、毎日毎日、オムライス生活をしなければ
上手くなることはむずかしいのかもしれぬ。

ぬれ雑巾を丸めてフライパンを振る稽古をする、というのもあったか。

だがまあ、こんな調子であるから、私の場合、
一生オムライスは上達しないままかもしれぬ。