浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



東京駅ラーメンストリート・斑鳩

dancyotei2013-09-26


9月24日(火)夕



18時、新横浜付近で仕事終了。


帰りは新幹線に乗ってしまう。


東京駅に着いて、八重洲南口あたりに出てきた。


目の前にあった「東京ラーメンストリート」の
表示が目についた。


腹が減ったぁ〜。


吸い込まれるように、階段を降りてしまう。


ご存じの通り新幹線を降りた八重洲南口の地下にある
東京の“有名”ラーメンやを集めたラーメンやモールが
東京ラーメンストリート」。


別段、いつもチェックしているわけでもないので、
今、どんな店が入っているのか案内を見てみる。


例のタンメン[トナリ]とグループの(?)[六厘舎]。


お、[斑鳩]がある。


九段下で数年前に気になっていたのだが、
いつ行っても長蛇の行列で結局いつもあきらめて
食べたことのなかったところ。


へ〜、こんなところも入ってるんだぁ〜。
(他は、知らない。)


店にきてみると、列もない。


折角なので[斑鳩]、食べてみようか。


券売機で最も安く最もベーシックそうな
「醤油ラーメン」を買う。


席を案内され、座る。


お客さんはとみると、やはり大きなキャスターを
脇に置いた、東京観光の人が多いよう。


しばし待って、きた。





海苔、妙に長いメンマ。
ばら肉のチャーシュー(煮豚)。
お茶漬け海苔に入っている細かいあられが
アクセントになっている。


食べてみる。


濃厚な魚介+豚骨のしょうゆ。


塩味も強めであろうか。


[青葉]をそうとう濃くした感じ?。


ただ、とてもバランスは取れているのではなかろうか。


熱いスープが腹に染みて、よい。


麺は気持ち、細めか。


平打ちのようでもあるが、気のせいか
パスタのリングイネのように中央に向かって
膨らんているように見える。


このスープ、やはり流石、と、いうべきか。


これだけうまいと、最後まで飲み干したくなる。


うまかった。
食べ終わり、さっと席を立つ。


なにか、あらためて今日感じたのであるが、
やはりラーメンは押しも押されぬ東京の名物に
なっているということ。


この「東京ラーメンストリート」に入っている店だけが
東京代表とはとても思わないが、地方から東京にきた人が
東京みやげに食べて帰るにはとてもここはとても便利。


そしてやはり、東京のラーメンやというのは、
全国的にも、もっといえば、世界的にも誇れるもの
なのではないか、と、思うのである。


都内のラーメンやというのは、おそらく日々増えているのでは
なかろうか。(むろんその陰で閉店しているところもあろうが、
絶対数としては増えているのではあるまいか。)


麺、スープ、具。それから、ノーマル、つけ麺、油そばなど
食べさせ方等々、それぞれの店主が自由に工夫し、日々、
複雑化し、思ってもみないようなものが現れ、
どんどんと、進化している。


それを煽っているラーメングルメ)マスコミ、
評論家(?)の功罪というzのもありそうであるが、
やはり、全体として、ラーメンというものが、
進化しているのは、ラーメン好きとすれば、
毎度書いているが大歓迎である。


ただ思うのは、なぜ東京のラーメンはこんなにも
進化し続けられるのか、ということである。


高くとも1000円以内だから、お金のない
若者でも頻繁に食べられ、薀蓄を傾けて、それなりの
グルメ気分がたのしめる。


名古屋、大阪、その他日本の大都市と比べても
東京は突出しているように思われる。


東京人のラーメン好きというのは、
他の地域と比べ幾分歴史が古くいというのは
一つの理由にはなるのかもしれない。


東京でラーメンを食べ始めたのは、おそらく
明治末期から大正の頃だと思われる。


一つの食べ物をこれだけ練って、突き詰め、
高められる、というのはなんであろうか。
(これは作り手と食べ手が両方あって初めて
成り立つことだと思われるが。)


これは東京人というのではなく、
日本人の特徴といってよいのではなかろうか。


京料理でもよいし、また、江戸前鮨でもよい。
日本人は料理において、技を磨き、味を突き詰め、
素材を選び、世界に冠たる文化の域にまで到達させてきた。


その性癖が今、東京でラーメンというフィールドで
繰り広げられているといってよいのでは、なかろうか。


突き詰め方が、とても日本人的なように思うのである。


東アジアから東南アジア、パリにもニューヨークにも
東京のラーメン文化は(まだまだ稚拙だとは思うが)
既に広がり始めている。
また、東京観光にくる外国人は必ずラーメンやに
入ってみる。


これから東京のラーメンはどこまで
いくのであろうか。


どこかで完成し、今のような目覚ましい進化は止まるのか。


だが、ラーメンが京料理やにぎり鮨の域に達するまでは
まだまだあろう。


もっともっと世界中の人々をラーメンで
愉しませられるはずである。


行け!、東京のラーメン。
未来を目指して。