浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

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国立劇場・初春歌舞伎公演「夢市男達競」その1

dancyotei2013-01-14


1月13日(日)



さて。



と、いうことで、国立劇場


もう一つの初芝居。
「夢市男達競(ゆめのいちおとこだてくらべ)」。


これを観にいくことにした。


先に『演目・主な出演者』を書き出しておく。


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河竹黙阿弥没後百二十年


河竹黙阿弥=作『櫓太鼓鳴音吉原』より


尾上菊五郎=監修


国立劇場文芸課=補綴



西行が猫


頼豪が鼠  夢 市 男 達 競(ゆめのいちおとこだてくらべ) 六幕十場


               国立劇場美術係=美術



序幕 第一場 鶴ヶ岡八幡宮の場


第二場 御輿ヶ嶽の場



二幕目 第一場 鎌倉御所門前の場


第二場 花水橋広小路の場



三幕目 雪の下市郎兵衛内の場



四幕目所作事 旭鞆絵夢浮宝船



五幕目 第一場 大磯京町三浦屋格子先の場


第二場 同薄雲部屋の場


第三場 同台所の場



大詰 鎌倉御所の場




(出演)


 尾 上 菊五郎


 中 村 時  蔵


 尾 上 松  緑


 尾 上 菊之助


 坂 東 亀三郎


 坂 東 亀  寿


 中 村 梅  枝


 中 村 萬太郎


 尾 上 右  近


 藤 間 大  河


 片 岡 亀  蔵


 河原崎 権十郎


 市 村 萬次郎


 市 川 團  蔵


 坂 東 彦三郎


 市 川 左團次


 澤 村 田之助


            ほか




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河竹黙阿弥没後百二十年、と銘打たれており、
原作は黙阿弥。


『櫓太鼓鳴音吉原』というのが原作で、
国立劇場文芸課のアレンジということ。


例によって、通し、といってよいのか、
この全幕で完結するもの。


『櫓太鼓鳴音吉原』というのは、1866年(慶応2年)、
江戸市村座初演。浅草猿若町江戸三座があった頃。
幕末、それも、どん詰まり。


この年は、薩長同盟成立、寺田屋で龍馬が暗殺され、
第二次長州征伐、失敗、将軍家茂が大坂城で亡くなり、
年末には孝明天皇崩御
ここから、討幕へと一気に向かう、、。


そんな風雲急を告げる世相だが、江戸では芝居は行われていた
ということであろう。


黙阿弥翁、亡くなってからは、百二十年だが、
この頃、慶応2年は52歳といったところ。


“櫓太鼓”は、芝居小屋などにも使われていたが、
ここでは相撲のこと。
相撲モノを表している。


その後、なん回か手直し、再演されているが、
大正以降は上演されていないものを掘り起している。


ただ、お話は原作からは大幅に手が入っている。
国立では珍しいのではなかろうか。


昨年『塩原多助』を、観たが、あれはほぼ原作を再現していたはず。


さて、どんなものか。


12時開演なので、11時に出る。


今日は、一人。


やはり、着物。


紺のウールで、羽織も同じ。
鳶(とんび)のコートにマフラー。


が、今日は少し暖かい。


足早に歩くと、マフラーはいらなくなるくらい。


劇場に着いて、イヤホンガイドを借りて、
プログラムを買って、カツサンドとお茶。


ロビーには正月らしく、大きな凧が飾られている。







外題(げだい、芝居のタイトル)の頭に書かれた
西行が猫 頼豪が鼠」と猫とねずみの絵が描かれているので
むろん、芝居にちなんだものなのであろう。


席は直前に取ったので、1階の正面だが、
最後列。




序幕、第一場の幕が開く。






明日につづく。