浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



おからと鰹

dancyotei2012-09-16


9月11日(火)夜



さて。



火曜日、夜。


8時頃、オフィスを出て、例によって、駅に向かいながら、
今日はなにを食べようか、考える。


夏以来、少しウエストがきつくなっているので、
カロリーの低そうなもの?。


こんにゃく?、豆腐?。


!、そうだ。
おからを煮ようか。


意外に、おからの煮たのは、好きなのである。


駅のそばのスーパーに寄る。


今、どこにでもある、というわけでもないが、
パック入りのおからが売られている。


豆腐売り場に、あった。


それから、野菜売り場で、枝豆。
枝豆も安くなっている。


ちょっと、魚売り場へもまわってみる。


鰹のサクが、安い。
戻り、と、書いてある。
もうそんな時期か。


今年は初鰹もうまかったが、どうであろうか、
買ってみようか。


脂のありそうな、腹の身を選ぶ。


帰宅。


鰹は切るだけなので、あとで。


枝豆は濃い塩水で茹でる。


枝豆というのは塩が染み込みにくく、本当であれば、
できるだけ長く塩水に漬けてから茹でた方がよい、
のであるが、今日は時間がないので、すぐ。


おから。袋を開ける。
おから、というのは、煮る時に水分を入れるので、
量が増える。


今までなん回も、大量に作りすぎてしまって、
失敗している。


袋の半分を鍋にあける。


おからと一緒に煮るのは、なんでもよいのであろう。
よくあるのは、煮た大豆、あるいは、ひじき、などか。


私が好きなのは、ねぎ。


五分(1.5cm)にザクザクと切る。


鍋に点火。ごま油を入れて、軽く炒める。
やはり、油っ気は少しあった方がうまいであろう。


ここに水を少し、酒、しょうゆ、砂糖。


おからというのは、味付けがむずかしい。


出汁などを利かせて、上品にしても、
まあ、あまりうまくはない。


濃いめ。


それも、今日は、ちょっと砂糖を多めにし、
あまめ方向を目指してみる。


私の作る煮物は、東京下町系なので、
基本、あまさは押さえて、しょうゆが強め。


おからの場合も、今までこれでやっていたのだが、
どうも違うような気がしていた。


あま味を強めにした方が、おからには合っているのでは、
と、思い付いたのである。


煮立ったら、ねぎを入れる。


ねぎに火を通し、つゆがなくなるまで、
焦げ付かないように、かき混ぜながら、水分を飛ばす。


これも今までおからを煮てきて気が付いていたのだが、
自分で作ると、水分を飛ばし切らないで、煮るのを
やめていた。
おからの煮たのは、水分が少なめの方が、よいようである。


もちろん、最初に入れる水もできるだけ
少なめの方がよい。


水分少な目で、味はあまめ。
これがおからを煮る時のポイントのように、思う。


OK。
つゆがなくなった。


鰹は切るだけ。


薬味は、脂ののった落ち鰹ならば、練り辛子なのだが
一応、生姜もおろしておく。


おから。




鰹、枝豆も。





ビールを開けて食べる。


おからもよい味になった。


不思議と、ねぎというのは、おからとよく合い、
うまい。


鰹。


これはびっくり。


そうとうに、脂がのっている。
辛子がちょうどよい。


この秋は、秋刀魚はあまり獲れていない、
とも、いうが、鰹はなかなかよいのかもしれぬ。


枝豆も安くてうまい。


まだまだ、暑い日が続いているが、食いものの方は、
秋になっているようである。