浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



鳥越祭 その1 と、味芳斎、再び

dancyotei2012-06-10



6月8日(金)



今日は、国内某所へ出張。



羽田から飛行機。



いつも羽田へは、御徒町からJRで浜松町、
浜松町からモノレールで。


大江戸線には乗らず御徒町までは歩く。


歩いても、10分程度。


マンションから路地へ出ると、、、


!、お祭り、で、ある。






神輿。


この土日が我々の祭、鳥越祭、で、ある。


メインは土日、なのだが実際には金曜にも
神輿への御霊入など、行事がある。


毎年のことだが、仕事に出かけるこの時間には
こうして神輿の組み立てが終わっている。
半纏を着ているのは、町内の祭担当の役員の方々。
この半纏は町内のものではなく、鳥越神社の半纏。


鳥越祭の組織は『睦(むつみ)』といって、町内会の中に
別の組織としてあり、いわば鳥越神社の氏子組織として
町内会内に存在しているといってよいのであろう。
年始の鳥越神社の初詣の時にも、この『睦』の役員さん方が
この半纏を着て、警備に出られている。





こっちは神酒所。


神酒所というのは、町内のお祭り本部、のようなもの。


こちらはまだ、設営中。


私の住んでいるのは元浅草一丁目なのだが、
町内会は七軒町という。


上の神輿の入っているテントの上部に七軒を丸く図案化したものが
七軒町の印(しるし)、で、ある。
七軒町はは旧町名で、正確には浅草七軒町といっていた。


七軒町は、今、元浅草一丁目の一部で、町内には、
都立白鴎高校が大きな区域を占め、実際には狭い町内。





小さいが、七軒町というのは、江戸からある地名。


江戸の頃には、下谷七軒町といわれ、浅草ではなく、
西隣の下谷の範囲入っていたようである。


正確には、地図の通り、北隣の華蔵院という寺の
小さな門前町で、まあ、当初、七軒の家があったからであろう。


余談だが、蒲鉾やら、煮た椎茸やらを並べ、おかめの顔に見立てた、
おかめそば、というのがある。これは幕末、この七軒町にあった
太田庵という蕎麦やが始めたものという。


七軒町というのは、よくある町名であったのであろう、
ここ以外にも根津七軒町、池之端七軒町などあった。


明治以降に、それまでの七軒町に隣の武家屋敷を加えて
浅草七軒町となっている。


ちなみに、池波先生が育ったのは、
七軒町の北と東の隣の永住町。


永住町には池波先生のお母さんの実家があり、
お祖父が錺物(かざりもの)の職人をしていた。
この家で先生は少年期を送っている。


鳥越祭は、むろん、鳥越神社のお祭りだが、
氏子の範囲は十八ケ町と広い。
上の地図のほぼ東側1/3がその範囲になる。


一番南は、浅草橋や、今、凸版印刷のある
旧二長町あたり。
そして、北は、浅草通りを渡った、松が谷の一部
(旧北松山町)まで。


上の地図で、白い部分が武家屋敷で、
赤い部分が寺社、で、ある。
七軒町から南はほとんど武家屋敷。
北側は赤い色の寺町。


灰色は町人の住む、町屋だが、町屋というのは
極端に少ないのがお分かりになろう。


鳥越神社のまわりは元鳥越で、町屋。
そして、新堀川の西側に阿部川町というのがあるが、
これくらい、で、ある。


そして、これ以外に、七軒町のような小さな区域の町屋、
他には小島町など、あり、また、少し前に書いたが、
三筋(みすじ)といった、武家屋敷だが、町名として
通称されていたところもあった。


このあたりまでが、江戸期までにあった地名で
それ以外は、明治になってからできたもの。
先の永住などもその例にあたる。



さて。



この日。



羽田に戻ってきたのは、18時すぎ。


帰り道、ちょうどよいので、浜松町で降りて、
この前きた、大門の四川料理店、味芳斎へ寄ってみた。


麺類が食べたかったのだが、辛そうな、
「ザーサイ・ひき肉辛子そば」というのを、頼んでみた。



味芳斎



びっくり。


真っ赤。


これは、これは。


四川というので、辛いもの、と思ってはいたのだが、
なるほど、メニューの名前に『辛子』と入っているくらいで
ここまでのものであったのか。


麺は玉子麺であろうか、細め。


味は、、、、、。
もう、見た通り、そうとうに、辛い。


四川で挽肉の麺というと、担々麺がすぐに思い浮かぶが、
これにはザーサイと挽肉のみで、芝麻醤・練り胡麻は入っていない。


そういえば、以前に同じようなザーサイと挽肉の組み合わせの麺を
食べた記憶があるが、四川では定番の麺なのかもしれない。


辛いが、うまい。


汗だくになって、食べ終わる。





大江戸線で、帰宅。



天気が心配だが、明日がたのしみ、で、ある。