浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



本所石原・レストラン・クインベル

8月28日(日)夜



さて、日曜日。



今日も、引き続き、朝から資料作り。


人形町、と、いうのは、江戸の頃を含めて、
現代においては、なんとなく、江戸っぽい?
情緒のありそうな街、というイメージかもしれぬが、
実際には、時代によって、いろんな顔を持っており、
なかなか、とらえずらいところ、で、ある。


まあ、このことは、終了後、詳しく書くとして、
今晩、で、ある。


内儀(かみ)さんが、なにかうまいものを
食べに行こう、という。


私は、作業をしているので、
じゃあ、考えて、と、いっておいた。


で、出てきたのは、本所石原の、
レストラン、クインベル


そうか、しばらくいっていなかったか。


洋食や、というよりは、下町のフレンチ、
と、いう感じであろうか。


気の置けない、うまい店、で、ある。


6時半に予約をし、6時すぎ、
私は、短パンに雪駄履き、という、
例によって、いい加減な格好で、出る。


春日通り、元浅草三丁目から、錦糸町行の
都バスに乗る。


都バスは、都バス.jp、というサイトで、
バスのバス停への接近状況をリアルタイムで
表示しており、便利、で、ある。


接近を見計らって、出て、三井住友銀行前の
バス停へ。
ほとんど待たずに、バスに乗る。


厩橋を渡って、清澄通りを右折、蔵前橋通りを左折。
石原一丁目で、降りる。
乗っているのは、5分もなかろう。


インベルは、道の向こう側。


ほんとうに、レストラン、という言葉が
あてはまる、装飾もない、小さな店。


しかし、ここのシェフが、うまいものを
食わせる、のである。


入ると、先客は、2〜3組。
日曜日もやっているのがよいが、
やはり、ところの人々にであろう。
小さな子供のいる家族連れだったり、
老夫婦だったり、で、ある。


座って、ビール。


なにがよかろう。


お勧めが、ボードに書かれている。


サーモンとアボカドのタルタル風、
さざえのグリル(で、あったか?)、
いわしとナスの重ね焼き。


こんなところを、頼んでみる。


タルタル。





どうであろうか。
見た目も、美しい。


この店の、雰囲気からすれば、考えられないような
ちゃんとした、料理、で、ある。


見た目だけではなくて、
むろん、食べてもうまい。


気取っていないのに、こういう料理を出す、
と、いうのは、やはり、只者ではない。


そして、むろん、そこがよいところ、で、ある。


さざえ。





ここは、エスカルゴ、も、あるが、
これはエスカルゴ風、と、いってよかろう。


ガーリックバターの中に、さざえの身を仕込んで
さざえの貝に詰め直し、焼いてある。


このガーリックバターの、うまいこと。


このソースなめたくなる、と、内儀さん。
パンをもらう?


いや、あとが食べられなくなるので、
やめておこう。


いわし。





カリカリに焼かれたパン粉。
オリーブオイルと、チーズの風味もあるようである。
うまい。


ビールから、レモンサワーに。


レモンサワーなんというものを
置いているのも、下町のレストランの
真骨頂、で、あろう。



さてさて。



あとのおたのしみ。


ここは、わたりがにのトマトパスタか、
ドライカレーのオムライス。
この2品を、どうしても食べなければ
だめ、で、ある。


そう。


できれば、両方、なのであるが、二人でそれは、
やはり、この年では、あまりに考えなし。


どちらにしようか。
それでも、量が多い、パスタにしようか。





ちょっと細めのパスタで、絶妙の塩梅、
で、ある。


うまい、うまい。


満腹、で、ある。


ご馳走様でした。
勘定は、二人で、7000円ほど。


やはり、これは安いで、あろう。



ご近所といってもよいこの場所で、
この料理が食えるのは、やはり、
ありがたいこと、で、ある。





墨田区石原1丁目25−5
電話番号 03-3623-1222