浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



いわしフライ

dancyotei2011-05-09

いわしフライ

5月4日(水)昼下がり



さて。



相変わらず、ゴールデンウイーク。



今日も資料作り。



が、しかし、やっと、終わりが見えてきた。
もっとも、実はこれ、きりがないのである。


これも話したい、あれも話したい、と考えて
調べて書いていると、際限なく増えてしまう、のである。


それで、昨年も、最初のうちは、A4に2〜3枚だったのが、
段々に量が増え、5枚、6枚、、となっていたのである。


皆さんのご興味のありそうなこと、
そして、どうしても、伝えなければいけないこと。
あるいは、これは、おもしろい、あるいは、耳よりな話、
といったこと。(一般には、あまり書かれていないこと。
「へ〜」と、感心していただけること。)
まあ、そんな観点で絞るのだが、それでもやっぱり、
5〜6枚にはなってしまう、のである。


ともあれ。


今月の、八丁堀は、昨年は行っていないところなので、
新規の資料、ではある。
それも、なんとか、終わりが見えてきた。


今日は、天気もよく、気温が高め。


毎度のことで、なぜかわからぬが、
今日は、フライもの、それも、いわしフライが
食べたくなった。


なぜ、ピンポイントで、いわしフライなのか。


実は、とんかつでもよいか、と、思ったのだが、
とんかつは、この前、かつ丼用だが、揚げているし、
銀座のみかわやで、ポークカツレツを、
食べたところ。


しかし、だからといって、揚げ物から、いきなり、
いわしフライは、唐突であろうと、思われるかもしれない。


いや、その前に、なぜ揚げ物なのか、を
考えた方がよいかもしれない。


これは、おそらく、そろそろ、初夏の声を聞く頃に
なってきたからのような気がする。


真夏には、揚げ物という気にはならないが、
天ぷらや、カツ、フライの類は、このような
陽気になってくると、食べたくなるものでは
なかろうか。
(真冬に揚げ物、という気には、あまりなれないと、
思われまいか。)


そして、カツではなく、次のもの、となると、
私は、いわしフライ、とくるのである。
まあ、それだけ好物である、ということかもしれぬ。


なぜか?。
答えは、簡単、うまいから。


同じようなもので、鯵のフライというのも
あるが、やはり、いわしには、勝てない。
あるいは、白身魚のフライ、マックのハンバーガ
フィレ・オ・フィッシュも、私は好きだが、
やっぱり、あの青魚のいわしの味が、フライには
合っている、と、思うのである。


なんだか、説明になっているようで、なっていないが、
まあ、いわしフライが、好きだから、ということである。


と、いうことで、資料づくりは仕舞って、
買い物に出る。


いわし、なので、どこでもよい。
あるかどうかは、わからぬが、一先ずは、
三筋のスーパーヤマザキへ、自転車で向かう。


きてみると、なんと、あった。


頭を落として、腹だけを割いた状態のものが
4匹で、パックになっている。


これは、実にお誂え向き。


それから、キャベツ。
これを忘れてはいけない。
フライものには、キャベツの千切りが、
是非とも、必要である。



買って、帰宅。



準備。



まずは、キャベツの千切り。
これは、やはり、限りなく細く、
薄くなくてはいけない。
とんかつやのキャベツは、芸術的に細く、
まるで、綿のように、細く切っているところもある。
(上野の双葉、であったか。)


切って、ボールの水に放しておく。


次に、いわし。
頭が落とされて、腹は出ているので、
開いて、中骨を取れば、OK。


腹側から、小さな出刃を入れて、上側の身を
腹骨を切りながら、尻尾まで。
これで、開ける。


今度は、骨の下に、やはり頭から包丁を入れ、
中骨を外す。


そして、最後に尾びれの手前で、骨だけ、
落とす。


さほど、難しいことはない。


4匹。


次に、揚げる準備。


なのだが、毎度書いているので、
今日は、端折(はしょ)ろう。


いつもの通り、で、特段変わったことはしていない。


揚げ油は、あらかじめ予熱をしておき、
高温で投入。


いつもそうだが、最初のものは、
油温が低めになってしまう。
フライは、やはり、高温、180℃以上が
よいのであろう。


いわしなど、すぐに火が通るであろうし、
カラッとしっかりした衣に、揚がるのではなかろうか。
内儀(かみ)さんの分も含めて、4匹。


キャベツを盛り付けて、のせる。





揚げ上がりもそこそこ、よいであろう。


そして。


いわしフライには、とんかつソース、
さらに、ケチャップと、マヨネーズ。


この三種を同時にかける。


これが、うまい。


そして、ビール。


もう、最高、で、ある。



うまい、うまい。