4月5日(火)夜
さて。
会社の同僚が、なにかうまいものを食いにいこう、
というので、ここにしてみた、のである。
ここは、いわずと知れた、池波レシピ。
(池波先生が通われていた頃からは、
代替わりは、している、のであろうが。)
前日、TELで予約を入れると、
お料理はお決まりでしょうか、というので、
今回は、少し贅沢をして、8000円の雅、を、
頼んでおく。
ここは花ぶさ膳3600円、池波先生命名という
千代田膳5000円、その上が、雅、
ということになっている。
昨年の『講座』でもそうだが、過去、ここでは
花ぶさ膳を食べている。(量的にはこれで十分。
むろん味も。)千代田と、雅、の違いは、と聞いてみると、
魚が入るか入らないか、という違い、ということであった。
花ぶさの最寄は、銀座線の末広町だが、
我々は大江戸線でくるので、上野御徒町。
ここから一駅分歩いても、たしたことはない。
場所は、末広町の交差点の北西、路地を入ったところ。
入って、出迎えたお姐さんに名乗り、
カウンターに座る。
生ビールをもらい、お通しから。
左側がお通し。
(魚卵を甘辛く煮たもので、なんの卵か
名前を聞いたのだが、忘れてしまった。)
右側が、鯨の尾の身の刺身。
わさびじょうゆで和えてある。
これはとても柔らかく、ばかうま。
次は、お造り。
ふぐ。
この季節に、ふぐ?と、思い、なにか特別なものかと
ご主人に聞いてみると、とらふぐです、とのこと。
やはり、もうそろそろ、おしまい、らしい。
歯応えと、うまみ。
お椀。
若竹と白髪ねぎ。
魚は、鯛。
それに青味は小さな蕪。
うまい上に、たのしい一椀、で、ある。
松花堂弁当、と、いってよいのか。
左下の焼き魚はのどぐろ。
左上は、野菜炊き合わせ。
右上が、ここの名物、海老真薯揚げ。
右下が、のれそれ。
のれそれは、ご存知の方もあろうが、
穴子の稚魚。今、春先のもの、である。
酢の物になっている。
ここの海老真薯揚げは、さすがに、いつ食べてもうまい。
ほかほか、サクサクの揚げたて。
鯛の兜煮。
特大。
味は濃厚な甘辛。
この濃厚な甘辛は江戸前、東京の煮魚の味、
それも料理屋の味と、いってよいのだろう。
自分で煮魚をする時にこの味を目指したことがあるが、
このとろみまでは、なかなか到達しない。
うまいもの、で、ある。
(しかし、随分と食べで、が、ある。)
ご飯。
これは、深川飯。
浅利の炊き込みご飯、で、ある。
そして、なめこの赤だし。
食べたし、呑んだ。
どの料理も丹念に拵えてある。
やはり、たいしたもの、で、ある。
ご馳走様でした。
店を出ると、いつものように、
ご主人が外に出て、我々が見えなくなるまで、
見送ってくれる。
できたもの、で、ある。
花ぶさ
東京都千代田区外神田6-15-5
03-3832-5387