浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



池波正太郎と下町歩き2月 その11

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NHK文化センター、断腸亭の『池波正太郎と下町歩き』


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NHK文化センター

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グーグルマップ。



より大きな地図で 断腸亭の池波正太郎と下町歩き2月 築地〜銀座 を表示

ルートマップ





江戸の地図



さて、引続き、2月の『講座』。



いよいよ今日が最終回。



歌舞伎座から昭和通りを渡り、さらに、晴海通りも渡る。
つまり、対角の角。
ここには小さな店舗だが、足袋やら、手拭いやらを扱う、
銀座大野屋という店がある。


今日のために日本橋高島屋にたまたま催事で店を出していた
新富町の大野屋総本店で、白足袋を買ったのだが、
その暖簾分けであろうか。
(こちら、銀座の店も、江戸からあるようだが。)


この大野屋の先、一本目の路地の先。
円弧を描いて、晴海通りの側道のような道がある。
こちら側だけでなく、晴海通りの向う側も
同じような、丸い道がある。
そして、地下は、シネパトスという映画館。





ここが三十間掘、三原橋の跡。


橋の跡、といっても、なんとなく、
中途半端な地下の映画館。


三十間掘というのは、基本は関東大震災で壊滅した
銀座の街の瓦礫で、埋められている。
(そして、復興事業として、同時期に昭和通りもできている。)


三十間掘は埋められたのだが、三原橋の場合、橋の下は、
しばらく空掘として残されており、使われていた。
それが、今のシネパトスのある不思議な地下、
なのである。橋の下の映画館。やっぱり、不思議である。


参考:「劇場に行こう」「日本映画100景」より三原橋


↑これを見れば、なるほど、ということになろう。


しかし、この円弧のついた道の間、真ん中に細めの
路地を1本入れて両側の路地の間、が、三十間掘であった。


三十間というと54.5mという計算にはなる。
この路地と路地の間は、そこまでの幅はないが、
それでも、20m以上はあろうか。
やはり、大きな堀である。


晴海通りに再び戻り、左に竹葉亭などあり、
中央通りの一本手前の路地を左に入る。


と、左側、数軒先のビルの1階。
ここに暖簾を出しているのが、池波先生行き付けだった、新富寿し


この『講座』、池波正太郎先生行き付けだった店と、
下町歩き、というのがテーマなのだが、
残念ながら、鮨やと、蕎麦やは、プログラムに
入れられない。
どこも、20人以上の人数など、入れないのである。
そういう意味では、我ながら、画竜点睛を欠いたもの
と、言わざるを得ないが、こればかりは、いたしかたない。


で、いよいよ、終着地。
コアビル。


ちょうど、新富寿しの前が、コアビルの裏。
なにも、裏から入らなくてもよいのだが、
ここまできて、表へ回ることもない。


ここから入り、エレベーターで一番上、10階へ。


池波先生の「銀座日記」に10回以上も登場する
「銀座のR」こと、中華の名店「楼蘭」。


コースで食べれば、そうとうな高級店。


中華では、この『講座』の前半。
8月の暑いさなか。
有楽町の慶楽へいった。


慶楽の方は、もう少し、庶民派。


が、どちらでも、池波先生の食べるのは、同じもの。
春巻や、焼売と、焼きそば。


やはり、よほど、お好きだったのである。


というわけで、春巻と焼売。





春巻は、流石にパリパリの皮が、うまい。


そして、焼きそば。





ここは、きれいに、取り分けてくれる。
大きな海老。味も、上品。


そして、炒飯も頼んだ。





五目炒飯。


むろん、うまい。




ということで、2月の『講座』終了。



今までで、おそらく最も長い距離であったか。
寒い中、皆さま、お疲れ様でした。
なにか、引っ張り回してしまった感じであろうか。



なぜ、こんな具合になったのか。


今までは銀座は、2回。

銀座を終点に考えて、京橋方向から、
虎ノ門、新橋方向から、と、きたわけである。
そして、今回は、海側の、築地方向から。
築地、とくると、明石町も、そして、スタート駅は、というと、
隅田川のそばにはない、、、。


どうしようか、と、考えて、いっそのこと、橋を渡った向う側、
月島駅スタートで、江戸の街としては、やはり、語って置きたい、
見ておきたい、佃島も、と、欲張ってしまったのである。



お疲れ様でございました。







銀座楼蘭





TEL.03-3575-0787
中央区銀座5-8-20 銀座コア10階