浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



居酒屋・虎ノ門・升本

dancyotei2010-10-04

9月30日(木)


さて、午後、外出したついでに、夕方、
ちょいと、芝方面に、まわってみた。


ここには書いていなかったと思うのだが、
次回の『講座』は、芝、なのである。


芝のどこへいって、どこで食べるのかは、
終了後のお楽しみである。


芝、いや、芝に限らず、東京でも南部、芝以南、
麻布、三田、田町、高輪、白金といった
ところは、小さい頃からあまり馴染みがなく、
正直、空白の部分も少なくない。


東京で育っても、行かないところは、
やはり、知らないもの、で、ある。


芝というのは、JRの駅で言えば、浜松町あたりだが
今はほとんどオフィス街といってよいだろう。
しかし、その昔は「芝で生まれて、神田で育ち、、、」
というように、神田っ子同様、芝っ子は、江戸っ子の代名詞
でもあった。
従って、芝は、下町といって、なんら問題はなかろうが、
やはり、戦後、それも、昭和40年代以降であろう、
神田、下谷、あるいは、浅草なんというところよりも、
よっぽど、垢抜けた街になっていった。


これはなぜであろうか。
東海道沿いであったからか。


神田、下谷、浅草、などに比べて、
山手がすぐそばであったからか。
山手に関連するかもしれぬが、
芝、麻布というところは、今もそうだが、
歴史的にも、各国の大使館が集中していた。
こういったことも、垢抜けた街の成り立ちに、
関係しているかもしれない。


芝界隈を少し下見をし、日比谷通りを新橋まで
歩いて戻ってきた。


歩いて、咽も乾いたし、どこかで、ちょいと、一杯、、、。


どこがよかろう。


思いついたのが、虎ノ門升本(ますもと)、という
居酒屋。


新橋という町名は今、とても広い地域についている。
新橋が6丁目まであり、その両脇に西新橋と東新橋。


私が歩いてきた、日比谷通りは新橋と西新橋の間。
西新橋のワンブロック西は、虎ノ門で、
目指す虎ノ門升本は虎ノ門交差点の裏通りなので、
西新橋交差点手前までくれば、すぐ、で、ある。


日比谷通りから、左側の路地に入り、西へ向かう。


この界隈も呑みやが随分と多い。
新橋駅前から日比谷通り、愛宕下の通りを越えて、
桜田通り、虎ノ門まで呑みやがつながっている、と
いってよろしかろう。


升本は、桜田通りに出る手前、右側の角にある。


升本というのは、昔から東京にある酒屋の屋号で、
ここも、もともとは、酒屋であったのだろう。


大きな木の看板と紺の暖簾が下がっている。
この看板と暖簾が、いかにも、よい。


暖簾を分けて、店に入る。


1人、と指を出し、あいているテーブルに
相席で座る。


ここは二階もあり、店内は広い。
妙に頑丈そうな木のテーブルが並んでおり、
サラリーマン達が、わいわいと呑んでいる。
6時少し前だが、もう7〜8割は埋まっている。


生ビール、中、をもらって、、、
つまみは?


若い娘さん(バイトであろうか)は忙しげに
元気よく立ち働く。


ここのつまみは、どれも安く、気の置けないものばかりで、
うまい。


壁に貼られた「小肌(新子)」というのに目がとまった。
これをもらおうか。
それから、、、、。
小肌に合わぬが、串かつも。


生が運ばれ、喉を潤す。
随分と、歩いてきたので、ビールがうまい。


新子の小肌。





こういうものは、やはり鮨やの方が、うまいのだろう。
多少、〆具合が浅いのか。
(小肌というものは、生の刺身で食べるものではない。
〆るのであれば、強めの方がよいのであろう。)


が、むろん、十二分にうまい、といえるレベルではある。
これで、中生を飲み干し、二杯めはレモンのチューハイ。


串かつがきた。





串かつも、うまい。
この串かつというものは、ほんとうに、
うまいものである。
誰が考えたものなのか、わからぬが、
なにしろ、長ねぎが、うまい。


一気に、呑んで、食って、、。
食い終わり、呑み終わり。


うまかった、うまかった。


勘定をして、さくっと、出て、
銀座線、虎ノ門から帰宅。



こういうところを、よい居酒屋、と、いうのであろう。





住所:港区虎ノ門1丁目8−16
TEL:03-3591-4523