浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



過橋米線・上野店 その2

dancyotei2010-01-27



今日は、昨日のつづき。



近所にできた、過橋米線上野店。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



次は、鱸。





揚げて、餡かけにしてある。
中華料理の魚料理としては定番。
これも甘辛で、意外にくどい味ではなく、
食べられる。


最後は、過橋米線。





澄んだスープで、湯葉やら、雲南ハム、やらも入っている。
しかし、やっぱり、先ほど(昨日配信)の野菜炒め同様の、
"あの味"。


最初の、鶏のスープの例もあり、香港でもそうであったが、
コストや時間の関係でスープを取っていない、のではなく、
おそらくスープはあるのだが、それに"あの味"を足している、
と、いうこと、かもしれない。
で、野菜炒めも汁の麺も、同じ味。


この件、少し前に、日本にいる中国(香港)の人に、
話してみたことがある。
すると、向うの人でも、わかっている人は、やはりいる。
それは、入れないでくれ!、といえばよい、という。


日本人の感覚では、そんな失礼なこと、と、
思うのだが、いってもよいこと、らしい。


向うでは、よかれと思い、それが上等なものとして、
化学調味料を入れる。それが、あたり前。
しかし、入れないでくれというのは、それはそれで、
あり、のよう。


味覇不要(ウェイパー プーヨウ)。


そういいなさい、と。


味覇は、拙亭にも似たようなものがあるが、
赤い缶入り、練状の中華の調味料である。
これをお玉で取って、野菜炒めなら、
炒めている中華鍋に入れるのである。)


出てきた、取り皿、というのか、陶器のお椀がまた
キッチュ





パンダが、ニーハオ!(称好)。
(これは中国製か?)


そして、添えられていた、れんげ、、お玉?





よくよく見ると、これは、文字通り、お玉。
おそらく、日本製だろう。
目盛りが付いており、真ん中の文字は、『少々』と、読める。
数字は、cc、なのか。
料理をする時に、調味料を量るのに便利なように、
してあるもの、で、あろう。


まとめると。


中国のローカル感満点の雲南料理店であった。
実際のところ、お客の1/3は中国ネイティブの方。
(あとは、我々のような、近所の家族連れ。
新しくできたので、我々同様、様子見、に、きたのであろう。)


勘定は、カードで、と、思ったら、


イマ、デンワコワレテイル。


と、お兄さん。


(今時、東京で、そんなことはあるまい。
壊れても、呼べばすぐに直すであろう。
さっき、予約の電話は受けていたし。
カードの回線は別、あるいは、まだ開通していない、のか。)


出ると、店前にダンボール箱
乱暴に、積み重ねられている。





なにから、なにまで、中国式ということであろう。
(上の写真、桂林瀬粉。
桂林は、雲南の近所、確か風光明美なところとして知られていた
と、思うが、広西チワン族自治区の都市。
瀬粉は、少し太めの米の麺(今日のものかどうかはわからぬが。)
らしい。))


おそらく、末広町の店となんらかの関係はあるのだろう。
だが、あちらは日本人もいたので、経営は別なのかもしれぬ。
そして、大資本でもないだろう。
また、雲南かどうかはわからぬが、彼らはどこか中国の地方都市(?)から、
日本へきて、さほど経っていない。そんな感じ、で、あろう。


思うのは、やはり、中国という国がそうとうに豊かになったということ。
ポイッ、と、簡単に(?)日本、東京にきて、店を開けるようになった。


やっぱり、これはよいこと、なのであろう。


そして、東京に居ながらにして、それもそうとうなご近所で
異文化体験ができるというのはおもしろい。


ともあれ。


今度は、味覇不要、と、いおうか。






ぐるなび