浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



夏の終わりの、トマトのパスタ冷製

dancyotei2009-09-03


8月29日(土)夜


サンバカーニバル、六区の水口食堂から、
途中、赤札堂に寄り、買い物。
なんとなく、食い足らなかったので、
安かった子持ち鰈を買って帰り、煮て、呑み直し。


その後、7時頃、今日は暑かったので、さっぱりとした、
冷製パスタが食いたくなった。


レシピを調べ、作り始めたのだが、なにしろ、酔っ払い調理、
トマト缶で作りかけたソースを、ひっくり返してしまった。


そこで内儀(かみ)さんに頼み、生のトマトを
買いにいってもらう。


買ってきたトマト、1個、湯剥き。
これも、内儀さんに頼む。


湯剥きは、内儀さんの方が、慣れている。


湯剥きしたトマトは、切って、種をくり抜き、
1cm角のサイコロに切る。


ボールに入れ、ここににんにく一かけらをおろし、
あわせる。


そうだ。


冷蔵庫にオクラがあった。
トマトとオクラは合う、で、あろう。


「オクラを切って入れて」、と、私。
「このまま?茹でた方がいいんじゃない?」と、内儀さん。
「じゃあ、そうして」。


まあ、いい加減なもの、で、ある。


オリーブオイルと、塩胡椒。


「オリーブオイルはどのくらい?」
「適量!」
「適量ってどのくらい?」
「だから、適量」


自分でやっても、適量、まあ、適当なので、
これ以上指示のしようがない。


イメージとしては、表面の面積の半分ほどに
油が浮いてくるくらい、で、あろうか、、。


ここまで、私が言って、内儀さんが手を動かす。


「味見してよ」


と、いうので、立っていって、味見。


OK。


冷蔵庫に入れて、冷やす。
これは、キンキンに冷やすのがポイント、で、あろう。


1時間ほど。


鍋に湯を沸かし、スパゲティーを茹でる。


本当は、少し細い、スゲッティーニ、やら、フェデリーニ
といったものの方がよいのかもしれぬが、
今日は、家にある普通のスパゲティーで、すます。


ここからは、内儀さんではなく、私。


スパゲティーの茹で加減は、普通のアルデンテよりも
気持柔らかめ。
時間としては、+1分ほどか。


アルデンテは、中心にまだ、ほんの少し、芯があるか、
という状態。普通の温かいスパゲティーの場合には、
フライパンでさらに炒めたり、炒めずとも、
余熱があるので、水分の浸透が進む。
これも計算に入れ、食べた時にちょうどよい歯応え、
食感を目指す。


この普通のアルデンテのものを冷やすと、冷した時点で、
麺への水分の浸透は抑えられてしまい、
食べる時には、堅めに感じられてしまう。
そこで、冷やす場合は、少し、
長めの茹で時間を取る、というわけである。


茹でこぼし、冷水にさらす。


これで、荒熱を取り、さらに氷やら、
冷凍庫に入れてある蓄冷材やらを入れた水に
スパゲティーを入れ、キンキンに冷やす。
ソースはキンキンに冷やしてあるので、
スパゲティーもキンキンにしなくては、
なんの意味もない。


5分ほど。


ざるに取り、水を切り、ボールに入れ、
ボールの中で、ソースと和える。
これは、まあ、趣味の問題のような気もするが、
皿にスパゲティーを盛り、ソースをかけるよりも、
冷製の場合には、ボールの中で和えた方が、味がよくからみ、
ベターではないかと思う。


完成。





呑んだ後でもあり、冷たいパスタは、うまい。


また、このトマトの冷製は、おろしたにんにくが、
香りとともに、食欲をそそる。


うまい、うまい。


がつがつと、食う。


呑んだ後、さっぱりとうまい、


「夏の終わりの、冷製パスタ」であった。