浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



土用・丑の日・うなぎ蒲焼、戻り鰹

dancyotei2009-07-21


7月19日(日)


今日も今日とて、朝から暑い。


夜中は、さすがに、タイマーでクーラーをつけている。
しかし、朝になると、暑くて目を覚ましてしまう。


起きて開けて、午前中は、扇風機。


今日は、土用の丑の日であると、TVのニュースでいっている。
今年は、丑の日は日曜日か。


うなぎも食べたいが、丑の日などには、うなぎやには、
いかないに限る。


時分時(じぶんどき)に行こうものなら、混んでいて入れない。


買ってこよう。


昼前。


雪駄に短パン、Tシャツで麦わら帽子、
自転車で出る。


外に出ると、さらに暑い。


うなぎを買ってくるとすると、私の場合は、登亭


スーパーのものは、そこそこ安いが、味のレベルを
考えると、値段以上に低いであろう。


登亭は、子供の頃、一緒に住んでいた祖父さんが
どうしてだか、ここのものを買ってきて、一人で
つまみにして、呑んでいる、なんという光景を思い出す。


まあ、昔から、百貨店などに入っており、
割安に売っていたからであろう。


この近所では、御徒町に店がある。


きてみると、列にこそはなっていないが、人だかり。


650円、丑の日お買い得品、なるものを
内儀(かみ)さんの分も合わせて、二串、購入。


せっかくであるから、吉池ものぞいてみる。
吉池でも、うなぎの蒲焼は、外に出店を出して、売っているが、
見た目には、やはり、登亭のものの方が、うまそうである。


中の売り場も見てみる。


今日目に付いたのは、鰹。


1/4のサクで、650円と特段、安くはないが、
見た目にも腹の部分などは、随分と脂がありそうである。
気仙沼産。もう、早くも、戻り鰹であろうか。


購入。


外に出ると、またまた、暑い。
こうして、うろうろしているだけでも、汗が出る。
その上、ちょっと、目が回るような、、、
熱中症ぎみ、で、あろうか。
朝から、扇風機だけで、座って作業をしていたので、
いつのまにか、脱水状態だったのかもしれない。


帰宅。


レンジで温めて、たれをかけて出す。





ビール、ビール。


蒲焼もうまいし、なにより、ビールがうまい。
やはり、暑い土用の丑の日には、これが最高、で、あろう。


昼寝をして、一緒に買ってきた、鰹は、夜。


サクなので、切るだけ、なのだが、
皮付きなので、先に皮を引く。


尻尾側から、刺身包丁を入れるが、、、
1/3程度で切れてしまう。


仕方がない。


頭側、上から包丁を皮に向かって斜めに入れ、
皮にぶち当たったところで、皮に沿って包丁を寝かして、
皮から切り取る。


鮨やなどで、プロの包丁を見ていると、
こういう切り方もあるようなので、やってみた。


腹側の身は、脂もあり、マグロでいえば、トロの部分。
身が切れやすい。


皮を先に引くよりも、この方がよいかも。


ふむふむ、なかなか、うまくいった。
切ってから、血合も取る。


切りながらも、脂が十分にあるのがわかる。
特に、皮のそばなどは、層になっている。


これだけ脂があると、もう戻り鰹。
しょうが、ではなく、和からし、で、あろう。


盛り付け。





これは予想通り、そうとうなものである。
脂がたっぷり。
しかし、くどすぎることはない。
さわやかな後味といったらよいのか。


この間まで、若い初鰹だと思っていたら、
気仙沼あたりでは、もう、丸々と太って、
脂がのっている。


海流や、海水温の影響など、最近は日本近海も
変わってきており、また、東京には日本中から魚が
集まり、戻り鰹は、秋、という決まり文句も、
今や昔のことなのかもしれぬ。
(そういえば、先週あたりから、吉池にも
北海道の新秋刀魚が入荷していた。)


うまいものは、うまいのだが、
なんとはなしに、釈然としないものも
感じてしまう、の、だが。
いかがであろうか。