浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



鳥越祭と鰹一本 その3

dancyotei2009-06-10

6月7日(日)


といった、わけで、土曜日の町内神輿は終わり、
私はというと、引っくり返って、家で寝ていた、
というテイタラク


そして、深夜、腹が減り、カレー(即席のルー)を


作って、食べる、という暴挙に、、。


さて、一夜明けて、日曜。


今日は、神社の神輿=本社神輿、の渡御。
南西は、秋葉原に近い凸版印刷のあたり、
南東は浅草橋の近所から。
でこぼこはあるが、ほぼ、清洲橋通りと、新堀通りの間、北は、
昨日書いた、浅草通りを越えた松が谷にかかるところまで。
これら町々が氏子町内。


この広い町内を早朝の神社からの宮出しから始まり、
20時、21時の宮入りまで、町内ごとに受け渡して、担ぐ。


毎年、回り方は違うのだが、今年の我々の町内は
11時半頃の予定。


10時半ごろ起きる。
なにか食べていては、間に合わなさそうなので、
そのまま顔を洗って、シャツを着、半纏を羽織り、
帯を〆て、出る。
(やはり、今日も担ぐわけではない。)


南側の小島町(町会名は小島二西)からくる。


昨日は、午前中は雨で、天気予報は、土日とも雨、
ということで、心配していたが、午後にはあがり、
夜までもった。


今日は、よい天気。
日が出て暑いくらいである。


今日は草履履き。


春日通りを越えて、前の町内まで、見にいってみる。


本社神輿の行列は、天狗様やら手古舞、金棒引きのお嬢さん達、
旗持ちの子供、などが先導し、その後に、氏子総代など
睦組織の長老の方々。(ついでに、地元選出の、国会議員まで、
ここに毎年ついている。誰とは書かぬが、顔を売る絶好の
機会なのであろう。)


この列を逆にたどっていく。
すると、小島町の細い裏路地に、芋を洗うような担ぎ手達に
囲まれて、大きな鳥越神社の本社神輿がゆっくりと
進んでくるのが見えた。神輿のそばまでいって、しばらく、見る。


三社などに比べると、担ぎ手の人数は、半分程度かもしれない。
だが、神輿は大きい。一度見送って、別の路地を通って、
再び、春日通りまで戻ってくる。





先頭はもう、新御徒町駅前の春日通りを渡り始めている。


ほどなく、神輿も現れ、広い春日通りを渡る。
渡ったところから、我々の町内。
この場所には、道を横切って、注連縄が張られ、七軒と、
町名の入った高張提灯が両側に立てられている。
民俗学でいうところの境界、で、ある。)
ここで、神輿の受け渡し。
小島二西が担ぎ終え、戻っていく。


鳶頭を含めて、神事。




今度は、担ぎ手が代わり、担ぎ始め。





路地を曲がり、我々の住むマンションの前を通り、左衛門橋通り。
また路地に入る。






今年はなん度も路地を曲がり、例年よりも担ぐ距離が長いようである。
我々の町内は他の町内に比べ、狭いので、すっと、終わってしまう
のであった。


次の町内、永住との受け渡し場所が近づいてきた。


(動画で、ある。)




手〆で、終わり。
我々の町内の担ぎ手は、やはり、後ろへ下がっていく。


よかったよかった。
特段のトラブル、喧嘩もなく、無事に終わった。


しかし、見ているだけだが、この天気で、私まで汗だく。
担いでいる皆さんは、やっぱりヘトヘト。
特に、睦の役員、係りをやっている方などは、
緊張もあったのであろう、路地に面した自宅(店舗)に
大の字になって、引っくり返ってしまった。
ビールがうまい、で、あろう。





私も、家に戻る。


一息入れて。


なにも食べていない。
半身残った、昨日の鰹。
本社神輿が終わったら、これを食べようと、
思っていたのであった。


また、刺身では芸がない。
今度は、たたき、に、してみよう。


藁の火で炙る、などというが、そんなものはないので、
普通のガスの火で、やってみる。


焼いて、すぐに冷やさなくてはいけないので、
保冷パックを入れた、冷水も用意。


サクに切って、皮はそのまま。
串を二本打って、焼いてみる。


竹串であるので、串の方が焦げ始めたりし、
なかなか難しい。
金網も使ったりし、なんとか焼き終わる。
すぐに、冷水に。


あげると。





水気をよく拭き取って、刺身包丁で、切って盛り付け。





火の入り具合が少し心配であったが、なかなかどうして
入りすぎもせず、それらしい。


おろししょうがと、ぽん酢しょうゆ。
やっぱり、身は小さいが、なかなかうまく焼けた。
生ぐささ、などもなく、なかなか、うまい。


それにしても、ビールが、うまい。


内儀さんもつまみ、瞬く間に、一サク食べてしまい、
残りのもう一サクも、続けて炙り、結局、全部食べてしまう。


鳥越祭と、鰹一本、梅雨入り間近の季節感には
ぴったりであった。