浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



欧風カレー

11月1日(土)第一食


さて、土曜日。


今日は、カレーを作ろう、と、思い立つ。
それも、欧風カレー。


欧風カレーとは、とても大雑把にいえば、洋食やのカレー、と
いってよいのであろう。


私は、カレーをよく作る。
これは、ほとんどがインドカレー


06年


07年



08年


色々なことをやっているが、どれもインドカレーである。


日本には、バーモントカレーゴールデンカレーのような、
即席のルーで作る、カレーがある。


欧風カレーは、これでもない。
ホワイトソース、いわゆるベシャメルソース、をベースにした
カレーである。(外で食べると、フレンチ系のシェフなどの作るものは
デミグラスソースなどがベースになっているのもあるようである。)


味は、即席のルーのカレーとも、インドカレーとも違う。


もともとは、99年、名古屋に単身赴任をしていた頃。


99年


レシピ自体は、NHKの男の食彩のテキスト、熊谷喜八氏のもの。
この時、初めて作ったのだが、そうとうに、うまかった。


04年


手間がかかるので、そう頻繁ではないが、
思い出したように、作っている。


ポイントはベシャメルソースと肉。
肉は特に大事である。
洋食のやりかた、なのであろう。大きく切って、焼いて、入れる。
これがうまい。


買い出し。


肉はハナマサ
牛のロースではなく、バラの塊、に、してみる。
大きな塊であるから、値段もそこそこ高い。


それから、リンゴ。
これは1つでよいので、100円コンビニで。


作る。


まずは、肉を4〜5cm角に切る。
そして、カレー粉をまぶす。
カレー粉は、特別なものではなく、S&Bの赤缶。


フライパンにバター、今日は、少し前に近所のインド食材店で買った
ギーを使う。





ギーというのは、インドのバターから作った油で、ある。
バターからのものなので、冷蔵庫に入れれば、固まっている。


肉はカレー粉をまぶしてあるので、焦げ付きやすい。
テフロンのフライパンで、表面だけ、焼く。


肉の量が多いので3回に分ける。


これを、煮込むのだが、1時間半かけて、柔らかくする。
今日はショートカットで、圧力鍋、に、しよう。


焼いた肉を圧力鍋に入れ、水を張って、加熱。
煮立ったらコンソメを一つ入れる。


ふたをし、加圧。圧が上がったら、弱火にし、10分ほど。
ここで、火を止めて、あとは放置。


この間に、玉ねぎを炒める。


まずは、玉ねぎ二個、みじん切り。
狐色まで、炒めるのである。
(読者の方に、教えていただいた、
試してガッテンでやっていたという、時間短縮術。
事前に玉ねぎを冷凍する、というもの。この時点で思い出した。
時、遅し、で、ある。)


いつもやっている通り、レンジ加熱で。
レンジにかける前に、先ほどのギーものせておく。


拙亭のレンジにある、根菜の下ごしらえモード。
10分以上になる。
均等に熱がかからないので、時折、混ぜる。


レンジ加熱、終了。


ここからは、フライパン。
やはり、テフロン。


またまた、ギー、を、敷き、
ごく弱火で、ゆっくりと、炒める。


レンジ加熱でショートカットをしても、狐色までには
20分ほどはかかる。


OK。


次は、ベシャメルソース
小麦粉、大さじ7杯。小麦粉の場合大さじ1は、8gだそうだ。
60g弱。今日は、計る。


同じく、ギーを敷き、弱火で炒める。
以前は、このベシャメルソースは、小麦粉団子になってしまったり、
私には鬼門であったが、今はさすがに、だいじょうぶ。
油の量を多めにして炒めれば、おおかた失敗はしない。


やはり、焦げ付かぬよう、気を付けながら、丹念に炒める。
段々に、小麦粉のダマ、が、なくなり、ゆるく、さらさらとしてくる。
見た目に、さらさら、しゃ文字で上から垂らし、
粒がなく、きれいにクリーム状とろーっと、落ちる。
この状態まで、気長に炒める。


OK。


ここで、牛肉を煮込んだ圧力鍋を開ける。
1時間ほどは経っている。


このスープを炒めた小麦粉に合わせていく。
ここもポイント。温度を合わせるのである。
スープの方が、少し冷めているので加熱。


温まってきたら、まずお玉に一杯、フライパンに入れる。
よく混ぜる。ここでは団子になる。
もう一杯、混ぜながら、段々に、ゆるくしていく。
数杯入れて、フライパンの半分以上。
だいぶゆるくなっても、ダマ、は消えない。
あわてなくともよい。だいたい、こんなものである。
これを、裏漉す、という手もあるが、きょうは、
ミキサーにかける。
(どちらも、あり、で、ある。)


完全に、粉砕する。
強制的にきれいなクリーム状にする、ということである。


肉を煮込んだ鍋に移し、残ったスープとも合わせる。
先ほどの、炒めた玉ねぎ。カレー粉と、
辛味を強めるために、レッドペッパーも、入れる。


あ。


しまったー。


ここで、カレー粉がダマになってしまった。


そうであった。
玉ねぎにあらかじめ、カレー粉を合わせておくのであった。
クリーム状のベースに粉を入れれば、ダマになるのは、
目に見えていた。


まあ、カレー粉であるから、煮込めばいずれは、混ざる
はずであろうが、お玉で少しずつしゃくって、箸で
溶き直す。


だいたい、リカバーしたのだが、、、
カレー粉は、まだ足らない。
今度は、お玉にカレーを入れ、少しずつ、ソースに溶く。
これで、OK。


そして、リンゴ。
これは、すり下ろすのだが、これもミキサー。
皮をむいて、ミキサーが回りやすい、
3〜4cm角まで切って、粉砕。
ソースに合わせる。
ここで、チャツネ、ジャムなどがあれば、それも入れる。
今日は、リンゴジャムがあったので、入れる。
(すり下ろしリンゴを入れているので、ダブっている。
まあ、入れなくともよいようなものであった。)


最後に、塩と、さらに、ギー、ウスターソース加え、味見。


欧風カレーの味の中心は、実は、このウスターソース
ウスターソースが入らないと、味が足らない、
のであるが、入れすぎると、ウスターソースだけの
味になってしまうので、注意が必要で、ある。


OK。


リンゴが入りベースは甘く、バター(ギー)がたっぷり入り
こってりしているのだが、レッドペッパーを多めに
入れているので、辛い。
これが私の目指す欧風カレーの味、で、ある。


ここから、ローリエを5〜6枚入れて、煮込む。
15分程度。


先週、内儀(かみ)さんがストロガノフ用に作った
バターライスが冷蔵庫に残っていたので、
これをレンジで温め、皿に盛る。


大きな肉とともに、カレーをかけ、らっきょうも添える。
欧風カレーの完成。





第一食であるが、ビール。


油は、すべてギーなので、そうとうにこってりし、
目指す味にきているだろう。
(しかし、カロリーはおそろしいことになっているだろう。)


肉は、少し堅かった。
圧力鍋というのは、今日は、10分程度で火を止めたが
もっと時間をかければ、むろん柔らかくはなる。
しかし、肉の味が、そう、レトルトカレーのような味になってしまう。
やはり、普通に煮込むのが最もよいのであろう。



それでも、大きな肉は、うまい、ことは間違いない。



大量にできてしまったが、欧風カレー
満足である。