浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



めごち五十匹 その1

dancyotei2008-06-23

6月21日(土)第二食


土曜日。


曇っている。


蒸し暑い。


昼過ぎ、雪駄を突っかけて自転車で、
例によって、アメ横の魚やまで出る。


のぞいてみる。


今日はなにがあるかな?


ん?、めごち。


ここで、めごち、は、珍しいかもしれない。


めごちは、天ぷら、で、ある。


例の白いトレーに山盛りで、¥300。
むろん、さばいてはいない。


買ってみるか。


帰宅し、夕方。
袋から出して、ざるにあけてみる。





なん匹あるのか、数えてみた。
五十匹以上ある。





上から見ると、不思議な格好をしている。


これをさばかねば。
たいへんである。


さばき始める前に、包丁を研ぐ。
やはり、切れる包丁でなければならない。


いつもそうだが、包丁を研ぐ場合は、
一度に家じゅうの包丁をついでであるから、全部研ぐ。
めごちは、ひとまず冷蔵庫に入れ、しばらくは、包丁研ぎ。


研ぎ終わったら、小さな出刃で、さばく。


頭を落とし、開き、中骨を外す。
開くといっても、めごちの場合は、
背を切り離し、尻尾だけでつながった状態が
完成、で、ある。


なん回かさばいているうちに、なんとなく
要領がつかめてきた。


まずは頭を落とす。
ひっくり返し、両側の胸びれを切り落とす。
次に腹を開く。
尻尾を左にして、頭側から上になった身を
中骨から外す。
次に、中骨の下側に包丁の刃を入れ、
下側の身も、中骨から外す。
最後に、尻尾の付け根手前で、中骨を落とす。
これで、一匹終了。


ざるから取っては、さばき、
皿に並べる。





三十匹、近くはやった、であろうか。


疲れた。


まだまだあるが、今日はもうやめた。
今夜は内儀(かみ)さんがいないので、
天ぷらもこれだけあれば、十分である。
ラップをして、冷蔵庫に入れておく。


揚げる前に皿などの準備をすべてする。
大根を下ろし、皿を用意し、白い紙を敷いておく。
また、天つゆ(桃屋のつゆ)も、用意。


揚げる準備。
今日は、ストックの揚げ油がないので、
さら、の油。


胡麻油2に、サラダ油1程度の割合で揚げ鍋に入れる。


ボールに玉子を割りほぐし、冷水を入れ、氷も少し入れておく。


ここで、油に点火。
油温の上がるのを待つ。


そこそこ上がってきたところで、
冷蔵庫から小麦粉を取り出し、玉子冷水と合わせる。
今日は量も多いので、衣も多め。
いつものように、少しかために。


まずは、五匹ほど。
衣のボールに入れる。


衣を菜箸で油に落とし、油温をみる。
高温でよいだろう。


最初は、いつも低めで始めてしまうので、
今日は、じっくり、待つ。


OK。


尻尾を、指でつまみ、どんどんと、投入。
衣が固まるまで、10秒ほど、そのまま触れずに、待つ。


10秒たったら、端からひっくり返す。
常に返していることが、はねないためには肝心である。
はねるのは、均等に熱がかからないからだという。





高温でもまめにひっくり返せば、はねにくい。


また、油温が上がり過ぎると、煙が出てくるが、
これでもあわてなくともよいだろう。
出始めたら、火を弱める。しかし、弱め過ぎても
いけないようだ。
煙が出る寸前、これをキープする。


まあ、そこそこ、うまく揚がるようになってきた
今だからいえるのだが、怖がらず、あわてず、
落ち着いて揚げるのが、大切なのである。
(まあ、なん度も失敗して身体で覚えた、のではある。)


いかなどは、半生がよいが、
めごちの場合は、きちんと火を通した方がよいだろう。


高温をキープして、
油から上げるタイミングは、衣が狐色になるのと、
泡が少なくなってきたら。


OK。上げる。


もう一回分、五匹。


ここで、一度座って、食べる。





ビールも抜く。


しっかりした衣で、よく揚がった。
うまい。
たくさんあるので、端から、バクバク食う。


もう一度、立ち、揚げる。
さらに、もう三回戦。


いくらでも食べられてしまう。


なんのことはない、結局、全部食べてしまった。


しかし、いくらうまいとはいえ、食い過ぎ、、。