浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



京都先斗町・炭火割烹・いふき・その2

dancyotei2008-05-12

さて、今日は昨日の続き。
京都出張、がてらの、先斗町


昨日は、やっと四条西洞院のホテルに着いたところまで。
ここから、四条通先斗町まで歩く。


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今度は四条通を渡り、北側を東、先斗町に向かって歩く。


いつもの通り、私は早足なのだが、
京都の人々の歩く速さは、さほど速くない。
大阪の人々は早いが、なるほど京都だ、と、また納得。


先の、四条烏丸の交差点を越えたところ、
三井住友銀行のすぐ先に閉まっているが、
(財)長刀鉾保存会、という建物があった。


長刀鉾(なぎなたぼこ)とは、祇園祭の山車(だし)の名前、で、ある。
確かこの山車は、祇園祭の数ある山車の中でも名のある
ものであったと記憶している。


もともと、私は民俗学を大学では学んだが、
町育ちのため、どちらかといえば、昔から町に興味があり
都市の祭り、京都の祇園祭、大阪の天神祭なども少し
書籍だけであるが調べたことがあったでのある。


長刀鉾の町は、このへんだったのか。
さすがに京都でも目抜き通りにある町だ。


そして、おもしろいと思ったのが、(財)。
祇園祭も、町ごとに山車を持っているのだが
はー、祭りも、財団法人化しているのかぁ。
さすがに、東京とは格が違う、天下の祇園祭だ。


今日は、天気もよかったし、てくてく歩くと、
汗が出てくる。


四条烏丸の交差点からは、歩道は、南側も北側も
アーケードである。


デパートの大丸がある。


少し行くと、やはりビルもあるが、町屋の老舗も
ちらほらと、あったりする。


しばらく歩くと、、、。
おっと、新京極。
はるか昔、修学旅行で、きたことろ、で、ある。


つげ櫛屋さん、おかき屋さんなどあったり。


河原町
阪急の河原町駅


向い側に高島屋、阪急百貨店。


ああ。
やっと先斗町が見えてきた。
随分あった。


もうすぐ7時である。
急がねば。


細い先斗町の通に入る。


目指す、いふき、は、
先斗町四条上がる21番路地、という住所表記。


先斗町には、細い南北のメインの通、から
さらに、東西に入る狭い路地がある。
これに、番号が付いており、
その、21番路地、というわけである。


一応、路地の入口にはこの番号が書いてあるよう。
見落とさぬようにしなくては。


近い番号があった。


北から順なのか、南からなのか、
多少不安になりながら、さらに歩く。


左側、お、あった。21番路地。
幅1m程度の路地の入口に、書いてある。
ここだ。


ずっと、入り、その一番奥。
細いが、照明も明るく、むろん掃除も行き届いている。


右側に暖簾の下がった出入り口があり、その白い麻暖簾に、
炭火焼割烹 いふき、と、してある。


よかった、間違いない。これだ。


戸を開けて、入る。


入ると、下足があり、すぐに、
座敷である。さほど広くはない。


左側にカウンターがあり、その奥が調理場。
中に、二人の若い衆とご主人らしき人。


皆が、こちらを見る。


「あの、電話をしました、、、、」
と、名乗る。


「あ、はい。どうぞ。」


カウンターの一番奥に、予約席、との札があり、
こちらへ、と、いうことで、靴を脱いで上がり、
その場所へ座る。


なんとなく、ほっとする。


カウンターも掘り炬燵のように、
足を下へ降ろせるようになっている。


ご主人の前、で、ある。


上着を脱いで、預かってもらう。


着物を着た、きれいな女将さん(奥さんのよう)。


「お飲み物は?」


「ビールで。」


エビスの中瓶をもらう。


後半、ちょっとあせって歩いたのもあり、
汗がふき出る。


青い富士山の絵の入った扇子を取り出し、パタパタ煽ぐ。


五月に扇子を持っているのは、いささか、奇異かもしれぬ。


ここのところ気温が上がっていたので、
連休中に、御徒町の駅の出店(でみせ)で、買っておいた。
今日の関西の天気予報では、暑くなりそうだったので、
持ってきたのである。


扇子というのは、私は、消耗品であると、思っている。
毎年、新しいものを買う。
毎日持ち歩けば、ひと夏で終わる。
ぼろぼろにもなるし、汚れもする。
従って、高価なものは、買わない。
いつも、駅の露店のような出店で、千円のものである。





やっと、店に着いたところであるが、
今日はここまで。



明日はいよいよ、料理に入る。