浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



京都先斗町・炭火割烹・いふき・その1

dancyotei2008-05-11


5月8日(木)夜


珍しく、泊まりで出張。
それも、京都。


京都といえば一昨年


人に、先斗町の小さな小料理屋に
連れていってもらったことがあった。


これが、かなり、よかった。


この店はよかったのだが、それは、先斗町がよかったのか、
京都がよかったのか、どちらなのかは、よくわからぬ。


京都といえば、私の場合、会社の工場もあるので
むろん、なん度かはきてはいる。
しかし、それも目的地に行って、そのまま帰るだけ。
それ以外、プライベートできたことは皆無。
街を歩いたのは中学高校時代の修学旅行ぐらい。
街の知識も、土地勘も、ほぼない。


今回の出張は、昼間は名古屋で、
そのあと夕方、京都へ移動し、一泊。
翌、金曜午前に、京都市内で仕事、という予定。


取ったホテルは、三井ガーデンホテルの四条。


今回は、一人。
こういうところは、やはり、手銭でいかなければならなかろう。


同じ店でもよかったのだが、
今回は、事前に少し探してみる。


先斗町は鴨川の西岸、高瀬川のある木屋町通
四条通と、三条通に囲まれた狭い一画。


(東京では、「通り」と「り」をおくるが、
関西では、「通」で、「り」おくらないのが習慣のようである。
なぜであろうか。わからぬが、今回は、郷に入っては、郷に従え、
「り」をおくらずに書いてみる。)


歴史のこと、花街その他は、上記、前回細かく書いているので
そちらをご参照されたい。


鴨川の河原に床(ゆか)を出した、高価な料亭から、
安めの居酒屋、洋食屋のようなものもあるようだが、
一人で行くことでもあり、前回のような、小料理屋、
というのか、カウンターのある割烹のようは
ところを探してみた。


見つけたのが、炭焼き割烹・いふき、というところ。
一万円前後で、値段も、手頃そう。
料理がうまそう。
比較的、新しい店のよう。


あとは、勘、で、決めた。


京都駅に5時過ぎ着。
ここから、電話を入れてみる。


電話に出たのは、ご主人らしい声。
丁寧な応答。
当日でどうかと危ぶんだが、一人、OK。
値段も確認。おまかせのコースで8000円から。
カードも使える。
時刻は、7時からにしてもらう。


まずは、ホテルに荷物を置かねば。


先に述べたが、まったく土地勘がないため、
ホテルへどうたどり着くのか。
ここから調べねばならない。


持ってきたホテルの案内のコピーを見る。
場所は、西洞院四条下(さ)がる。


私は馴染みがないが、ご存じの通り、
この住所表記も京都独特である。


南北の「通」を先に書いて、近い東西の「通」から
北上するのか、南下するのかを書く。


この表記は、わかりやすい、などという。
ふむふむ、そうか、などと地図を見ながら、
考えるのだが、これは実際に歩かないと
実感は得られない、だろう。


ともあれ、案内コピーによると最寄駅は、
地下鉄の烏丸線、四条駅のよう。
京都駅には、烏丸線が通っているのか。
これはちょうどよい。


新幹線から地下鉄まで降り、きっぷを買って、
ホームに降りる。


どちら方向に乗るのか、すら、わからない。
キョロキョロしながら、とりあえず、乗る。


なんだ、京都駅から、五条、四条と、二駅。


降りて、わからぬが、とりあえず、地上に出てみる。


烏丸線というくらいで、烏丸通、を走っているんだな。
ふむふむ。


あー。
烏丸通は、南北に走っているんだ。


こんなことも知らない。


地上に出ると、四条烏丸の交差点。
四条通烏丸通の、交差点である。


(先の住所表記は、南北を先に書くが、
ここの交差点、こちら風にいうと、辻、で、あろうか、
の場合は、四条烏丸と、東西の「通」を先に書いている。
辻の表記は、そういうものかと思うと、そうでもない。
五条は、烏丸五条で、南北が先。
よくわからぬ。四条だけであろうか。)


交差点に立つと、問題は、今、自分が、
どちらに向いているのか、で、ある。
碁盤の目といいながら、これが反対であると、
全く反対の方向に歩いてしまう。


しかし、今回、南北は、先ほど乗ってきた地下鉄の走る方向から
まず、間違いなかろうと、把握ができた。


北東の角が、三井住友銀行(三井ビル)。
南東の角が、三菱東京UFJ銀行(京都ダイヤビル)。
どちらも、そうとうに、立派なビル。
きっと、もともと三井と、三菱、であろう。
昔からここにあったのかもしれない。


旧財閥の銀行(ビル)が向かい合わせ。
はー、なるほど。
京都でもここは、目抜き通り、なのか。
などと、またまた、納得。


その銀行に寄り、念のため、金を下ろす。


さて、ここから、西洞院通まで。
西へ数丁のようである。


西洞院は、なんと読むのか。
これがまた、疑問になる。
洞は、ドウ、ではなく、トウ。
これはなんとなく知っていた。


問題は、「の」が入るのか、入らないのか。
つまり、にしのとうのいん、なのか、にしとういん、
なのか、などと考えながら、トコトコ歩く。


西洞院下る”、だから、歩くのは、南だ。
四条通の南側を歩く。


四条通は目抜き通りで、道幅も広く、
近代的なビルがほとんどなのだが、
ぽつん、ぽつんと、老舗風の和菓子やだったり、
町屋もある。こんなところが、さすがに、京都らしいところ
かもしれぬ、と、一人で、またまた、納得している。


四条西洞院の交差点まできた。


これが、碁盤の目のわかりやすいところ。
通の名前も、交差点のわかりやすいところに書いてある。


南に下がって、ホテルはすぐに見つかる。


チェックインし、荷物を置いて、ちょいと休む。


ここから、先斗町までは四条通をまっすぐに、東へいけばよい。


四条通には、阪急が地下を走っており、先の四条烏丸から、
四条河原町まで、一駅乗ってもよいようだが、
せっかくだから、歩こう。


6時半。30分もあれば、よいであろう。
出る。







まだ、先斗町にもついていないが、お上りさんの断腸亭、
だいぶ長くなった。
道のりは長がそうである。



続きは明日。