浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



竹町・焼き鳥・鳥喜

dancyotei2008-04-06


4月2日(水)夜


年度が変わった。


仕事には多少の変化があったのだが
よく変わった、と、思われる。


なんとなく、肩の荷が下りたような、そのような感じである。


夕方、外出で、場所が浅草橋。
浅草橋といっても、蔵前橋通りと清洲橋通りの交差点南東。


浅草橋という町名の地域も、随分と広い。
このあたりまで、浅草橋、で、ある。


旧町名でいえば、浅草向柳原(むこうやなぎはら)町一丁目。
向柳原とは、この南に流れる神田川。その南側の土手に
柳が植わっていたとのことで、柳原、と江戸の頃から
一般にいわれていた。
(柳原土手は、鬼平では例の、芋酒やがあったり、夜鷹が出たり。
剣客では、扇売り浪人が店を出していたり。
落語では、露店の古着屋があったり、占い者が出ていたり、
そんなところとして語られている。)
その、向い側という意味で、向柳原と呼ばれていた。


この界隈には、今の都立忍岡高校の場所に、名園で有名であった蓬莱園、
九州肥前平戸藩松浦壱岐守屋敷などがあり、ほとんどが武家地で、
明治以降、このあたりの俗称であった向柳原が
正式町名になっている。


ともあれ、拙亭のある元浅草とも目と鼻の先の、
こんなところから、直接、帰れるのは、うれしい。


連れとともに、ちょいと、一杯、ということになった。
(正確には、最初っから二人で“そのつもり”ではあったのだが。)


地元ではあるので、どこへ行こうかと、私が考えた。
このあたり、歩いていけるところで、
さほど肩が張らず、値も張らず、
人を連れていけるところ、というと、これがなかなか、難しい。


つまり、安くてうまい、そのうえできれば、
ちょっと気が利いている、で、ある。


考え付いたのが、竹町の焼き鳥や、鳥喜


ここならよかろう。
店も狭く、お世辞にもきれいとはいえないし、
無口な主人で、愛想もよいとはいえぬ。
だから、というべきかもしれぬが、
そうとうにうまい焼き鳥を食わせる、といってよいだろう。


清洲橋通りを北上し、佐竹商店街に入り、少し行って、
さらに左に入る。


竹町公園の先、右側。


着いた時間は、6時を少しまわった頃。
店には、テーブルに一組。


カウンター、主人の前に二人で座る。


ビールを頼むと、大根おろしの、お通し。


とりあえず、焼き鳥を、5本ほど、見繕ってもらうことにする。


正肉がきて、皮。





ここの焼き鳥は、まず、焼き方がよい。


炭火なのかどうかは、わからぬが、
中は柔らかく、外はこんがり。
まあ、このくらいは、そこそこの焼き鳥や、や、
もつ焼やでは、あたりまえであるが、
肉が大きい、というのが、よい。
たっぷり刺してある。


はつ、これも塩で、ある。





うまく撮れておらず、よくわからないかもしれぬが、
手前側が、手羽先、塩と、向こう側が、ぼんじり。




ぼんぼち、などともともいうようだ。


尻尾のわずかなところで、最近、焼き鳥のなかでも
希少ななものとして、いわれるようになっている。


それが、手羽先と同じく“いかだ”で、
やっぱり、たっぷり刺してある。
味は、しょうゆ。


ぼんじりは、脂と柔らかいなんこつ質な食感、が魅力で、あろう。


これだけ刺してあると、味がよくわかる。
また、しょうゆダレも、ほとんどあまみはなく、
にんにくの風味が加えられている。



やはり、ここの主人はなかなかに、細かい仕事をしている。




チューハイなども随分呑んで、好い心持。
連れの希望で、さらにそばなど食って、帰宅。






TEL:03-3835-7618
住所:〒110-0016 東京都台東区台東4丁目3−2