浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



肉そばから、落ち沙魚(はぜ)

☆数え間違いも多々あると思われますが、
今号で、900号になりました。


2004年3月末、断腸亭料理日記、再開後、3年半、
週、5回、毎日配信を続け、ここまできたか、という感じです。
ご愛読ありがとうございました。
まったく拙い私の文章を、読んでいたいただいている、
皆様のおかげであると、深く感謝いたしております。


計算上、3月中には1000号になるかと思われます。
第3回断腸亭落語会も早く開催日を決めたいと思っておりますが、
なんとなく、ぐずぐずしている、今日この頃。
なぜこの日記を書いているのか、断腸亭は、どこを目指しているのか。
考えつつ、1000号に向かって書いていきたいと思っております。
相変わりませず、皆様にはご愛読いただきたくお願い申し上げます。


これから、師走も近付き、寒くなってまいります。
皆様にもお身体を気を付けいただけますよう、お願い申し上げます。


断腸亭錠志



=========================================


11月10日(土)


さて、土曜日。
早めに目が覚めてしまう。


ちょっと、二日酔い。


なにを食おうか。
やっぱり、そばか、、。


先日買った、(まずかった)生そばがまだ残っている。


竜泉のそば屋、角萬の冷し肉そば。


あれはうまかった。
豚肉こま切れもある。作ってみようか。


まずは、豚肉を解凍。
ねぎとともに、桃屋のつゆで、煮る。


そばは、湯を沸かし、堅めに茹でる。
(堅めであれば、多少はよいかと思い。)






こんな感じ。
やはり、そばはイマイチであるが、
豚肉とねぎは、うまい。
そばは、量だけは随分ある。


さて、食い終わり、、、外は雨。


二日酔いは抜けつつあるが、体調は、今一つさえない。
風邪か?頭重。
先日入れた、ブリッジが今一つのような、、。
歯医者にいこうか。
TELし、15:30に予約を取る。


昼。
まだまだある、キャベツ。干し椎茸、冷凍庫にあった、
いかのエンペラを塩味で、炒め、片栗でとじたもの。
(あんかけ焼きそばにでもしようと思ったが、焼きそばはやめた。)






歯医者までに買い物に出る。
アメ横の魚屋。
雨でもあり、たまには、エンジンをかけねば、と、思い、
車で出る。(出ようとしたら、やんでいたがそのまま出る。)


昭和通りに車を止め、魚屋へ走ってきてみるが、
今一つ、これというのは、ない。


吉池か。
中央通りを回り、松坂屋前に止め、吉池に走る。


お!


そろそろ、季節、だと思っていたが、あった。
沙魚(はぜ)。
丸々と太った、落ち沙魚。


先シーズン、初めて見つけて買ったみたのだが、
量が今一つ少なく、味がよくわからなかった。


なにかというと、これである。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



『 台所の沙魚(はぜ)を見るや、梅安は、ぴちゃりと舌を鳴らした。


 食欲をそそられたらしい。


  新年を迎えたばかりのこのごろの沙魚は真子・白子を腹中に抱いて


 脂(あぶら)がのりきっている。』



[rakuten:rdownload:10045398:image:small]
池波正太郎著・仕掛人・藤枝梅安(一)「殺しの四人」より「おんなごろし」


講談社文庫



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



『梅安は、ぴちゃりと舌を鳴らした。』
と、ここである。


池波先生の、名文というのか、情景を頭に浮かべると、
怪文、というのか、、、。
とにかく、うまそうである。


そんなにうまいのであれば、是非食べてみたい、と思うのは
人情、で、あろう。


沙魚といえば、昔は東京湾でいくらでも釣れたものという。
大井町あたりで育った筆者の父親の子供の頃には、
ちょうど子供のよい釣り遊びの相手だったという。


冬の落ち沙魚というのは、東京でも、今でも、
江戸川やら、東京湾で連れるのかもしれないが、
釣りをしない筆者は、知らない。
一般のスーパーなどには、江戸前はおろか、落ち沙魚など、むろん並ばない。
この吉池で見たのが最初であった。


よし、今年は、たっぷりと買おう。


青森産。
グラムいくら、のようである。
600円、全部で20数匹。


購入。


急いで車にもどり、帰宅。
開けてみると、





こんな感じ。





キリが悪いが、長くなるので、この続きはまた明日。