浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



ゆり根

dancyotei2007-01-21

1月20日(土)第一食


冷蔵庫に内儀(かみ)さんの実家、北海道から、暮れに送られてきた
ゆり根、が、残っていた。


正月用に送ってくれたのであるが、
筆者も内儀さんも食べる習慣がなく、手付かずであったのである。


ゆり根、と、いえば、なんであろうか。
茶碗蒸し、ゆり根まんじゅう、きんとん、、そんなところであろうか。


筆者にとっては、子供の頃から家の食卓にのぼることもなく、
存在すら知らなかった、といってもよかろう。


今、全国のゆり根の生産量は、
北海道が95%以上を占めている、という。
これは驚きである。


その関係で、北海道の義母(はは)から送られてきたのだろう。
先に、内儀さんも食べる習慣がなかった、と書いたが、
よくよく聞いてみると、実家では茶碗蒸しによく入っていた、
という。
内儀さんに、茶碗蒸しを作る習慣がない、ということであった。
(ついでながら、北海道の茶碗蒸しには砂糖が入り、甘い。
最初に出てきたときには、東京人の味覚からすると、
これはちょっと食べられなかった。
やはり、出汁でキリッとしているのが、茶碗蒸しである。)


ともあれ、ゆり根。
文字通り、花が咲く、百合、の球根であるらしい。
現在は、食用に改良されたもので、花を取ってしまい、
2年、3年と、球根を太らせて作るようである。


北海道が生産量ではNO.1だと書いたが、
消費の方は、関西地域が主、で、あるという。


それで筆者など、東日本の人間には、
あまり縁がなかったのかもしれない。


さて、この冷蔵庫にあったゆり根、どうしたものか。
おがくず、の中に入っていた。


これから、ゆり根まんじゅうを作る、というのも少し、
荷(に)、で、ある。裏ごし、をしなければならない。
そこまでして、ゆり根まんじゅうが、食いたい、ということはない。
太助寿司で、食べればよい。


茶碗蒸し。これも、結構手間がかかる。
そして、茶碗蒸しだけあっても、飯にも、つまみ、にもならない。


きんとん、は、なかろう。


ちょっと、調べてみる。


簡単なものが、見つかった。
茹でて、和え物にする。
ゆり根には、こういう食べ方もある、のか、で、ある。


いわく、塩昆布と、梅肉で和える。
そして、からしマヨネーズ和え。


塩昆布はないので、簡単な、からしマヨネーズで、いってみよう。



まずは、おがくずから出し、洗う。
ゆり根は、りん片、と、いうらしいが、花びらのような
破片からできている。
これを一枚ずつ、はがしていく。


ざるに入れ、もう一度、よく洗う。


表側のりん片は黒ずんでいるところがある。
本当なら、これは使わない、ようだが、食べられるであろう。
使う。


湯を沸かし、茹でる。
好み、であるようだが、堅めの方が、よかろう。


水で、洗い、ペーパータオルでよく水分を取る。


ボールに移し、マヨネーズと和からしを合わせ、
軽く塩をふる。


味見。
ちょっと、物足りない。塩を足す。


冷蔵庫に同じく余っていた、煮込みを食ってしまおう。
次回作るために、つゆは残し、レンジで温める。


盛り付け。



どうも、今週も第一食からビール。
煮込み、であれば、呑まずにはいられない。
しかし、一本でやめておこう。


さて、ゆり根。
あらためて、味わって食べてみる。
ゆり根、というのは、食感がおもしろい。
堅めに茹でたので、ちょっとプリッとした感じで、
噛むと、ホクホク。
あまい。


なかなか、うまいもの、で、ある。


自分自身で、ゆり根を買ったことは、ほとんどない。
今、一つどのくらいしたであろうか。よくわからないが、
¥150以上、¥200はしようか。
さほど、安いものではなかったように思う。


うまいが、こうやって手軽なものにするのは、
やはり、もったいない、材料であろう。