浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



五反田・カレーの店うどん、その2

dancyotei2006-09-28

9月25日(月)昼


さて、今日は午前に五反田で打合せ。
市ヶ谷から南北線東急目黒線で、不動前まで。
五反田といっても、目的地が、東急目黒線の不動前と、
JRの五反田駅の中間あたりのため、乗り換えのない、
目黒から一駅目の不動前経由の方が、便利なのである。
雨と風がひどい。
傘を差していても、少し歩くだけで、濡れる。


打合せが終わり、昼飯。
五反田であれば、もう、ここしかあるまい。
先日書いた、「カレーの店うどん」で、ある。


「カレーの店うどん」と、いう店名であるが、
カレーはあるが、うどんはおろか、カレーうどんすらない。
『うどん』と、いうのは、ただのネーミング。




相変わらず、風雨は強いが、歩く。


前回は、ほぼ満席であったが、今日は雨のためか、
比較的すいている。
また、前回はマスター一人であったが、
今日は、奥さんであろうか、女性の方もいる。


カウンター最も手前の席に座る。


前回は、焼いた鶏肉とバジルの入った「夜のスープカレー」、
と、いうのを食べた。
この店の『夜の』というのは、当初は、夜だけ出していた、
という意味のようであるが、今は、昼もある。
名前だけ残り、『夜の』という冠がついているようである。


同じく、『夜』の冠がつくものに、
「季節の夜カレー」と、いうのがある。
この店で最高価格の¥1000。
HPによると、混雑が終わる1時以降であればよい、ということになっているが
今日は、雨ですいているからか、聞いてみると、できるようである。


昼も出すのに『夜』の冠を、いつまでも付けているセンスは
やはり、少し、ヘンな感じ、をかもし出している。
このマスターは、店名といい、どうもネーミングの付け方に、特徴がある。


端的にいえば、ネーミングを考えていない、ということであろう。
「うどん」というのも、ホームページによれば、


『理由は簡単で、家族と飲んでいるときに、甥っ子(当時小学1年)に店の名前
なにがよいか聞いたら"うどん"と言われ、酔った勢いで決めてしまった。
(後で店名の理由を聞いたら、店の名前を考えたのでは無く、かれーうどんが
思いついたためだそうで・・・)』


ということであるらい。


ともあれ、せっかくであるから、
今日はこの「季節の」でいってみようか。


「季節」であるから、今は「秋」。
きのこ、と、鶏ひき肉、と書いてある。
きのこは、舞茸や、しめじ、らしい。


奥様(らしき方)に注文をいうと、
さらに、マイルド・山椒・薬膳、から選ぶという。


せっかくであるから、いろいろ入っていそうな、
「薬膳」と、いうのにしてみる。



できた。



マスターのひとこと。


前回は、初心者向けで「スープを飲んで、別にご飯を食べてください」
といわれた。
これは、その方がスープをスープとして味わえる、ということらしい。


今日は、「きのこをよくかみしめて、食べてください。
味が出てきますから」と、いうことであった。


食べてみる。


「薬膳」と、いうのは、スパイスが少し追加されているようである。
シナモン、で、あろうか。他のものもあるのかもしれないが、
これが最も強く感じる。


きのこを、かみしめろ、といわれたので、
意識して、かみしめて、食べてみる。
わかったような、わからぬような、、感じである。


ともあれ、うまいことは間違いない。


基本的に、マスターの主張通りこれもスープはさっぱり、で、ある。


札幌のスープカレーの草分け、心の本店へこの間いったが、


心は、スープカレーでもフォンドボーなどを使った、
かなり、こってりしたスープ。
(くどい、ともいえる。)


毎週食べられる(スープ)カレーは、スパイスも油(脂)もひかえる。
そういうことであるという。


トマトと玉ねぎのベースの味がはっきりわかるくらい、
さっぱりしているスープカレー、で、ある。


男の場合、女性ほど、舞茸やら、しめじに価値観を感じないので、
これが¥1000で、高いかどうか、若干議論もあるかも知れぬが、
やはり、うまかった、といえよう。


このさっぱり味のスープカレーと、
ちょっと、引っ掛かる、マスターのキャラ。
確かに、クセになる。


激しい雨の中、不動前駅まで戻る。



HP