浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭・鰹飯


7月22日(土)第二食


さて、土曜日。
今週の路麺は、自転車で人形町、そば好


さっぱりと、辛みおろし。
しゃっきりとした細いそばと、だしの濃いつゆが、うまい。


上野を回り、買い物。


吉池を覗いてみる。


釧路産の秋刀魚が出始めている。
依然として、鯵も安い。


中で、鰹が目に付いた。
1/4(半身のさらに半分)で、550円。
別段安くはないが、新鮮そうである。気仙沼
もう戻り鰹、と、いえるのだろうか。


「とろ鰹だよ〜」、と、お兄さんが、叫んでいる。
目の前で、板さんであろうか、1本買っていく人がいた。


最近読んでいた、仕掛人・藤枝梅安
梅安鰹飯、という章がある。(梅安最合傘)


仕事が片付き、彦さんが、鰹の半身を持ってくる。
刺身で食って、後は、『肩の肉を掻き取り、細かにして、
鰹飯にしよう』、『濃い目の汁(つゆ)』をかける、
という。


これをやってみよう、か。


1/4、腹側を買う。


帰宅し、少し、事務作業。


3時過ぎ、まずは、刺身から食おう。
皮は取り、薬味は、しょうがと、からしを用意。
鰹飯の出汁も取っておく。
鰹であるから、昆布がよかろう。鍋の水に浸しておく。


刺身。冷やで酒。





新しいのであろう。
スーパーのパック入りのものとは大違い。
脂はさほどでもないが、生臭みや、血の味もなく、うまい。
薬味は、からしの方が合っていた。


酒は一合ほどで、止めておき、鰹飯へいってみよう。
昆布を入れた鍋に火を入れ、煮立つ直前に昆布を上げる。
しょうゆ、酒で味を付けるが、『濃い目』とあるから、
しょうゆを強めにする。


鰹は尻尾の方を少し、蒸し、身をほぐす。


飯は冷や飯があったので、一度、湯を通し洗う。


ほぐした鰹を載せ、ねぎの微塵切りをまぶし、
汁をかける。





さほど手の込んだものではない。
まず、これは、原作のイメージと大きな違いは、なかろう。


汁をかけるとほんのりと、脂が浮いてくる。
なかなか、うまいが、まあ、びっくりするほどではない。
さっぱりとし、さらさらと食える。


断腸亭・鰹飯、で、ある。


梅安シリーズには、他にも食い物の名前が
章の名前になっているものがある。
例えば、梅安晦日蕎麦。
不思議なものである、章の名前になるだけで、
とてもうまそうに、見えるのは、池波マジックか。