浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



うなぎ・日本橋宮川・牛込店

dancyotei2006-02-05

2月3日(金)昼


さて、今日の昼は、、、。


オフィスそばの入ろうと思っていた店が満席で、
少し足を伸ばさなければならなくなってしまった。
牛込中央通り、坂を降りていく。


外濠通りに向かって、法政大学62年館の先。
最近、店の、ランチうな丼¥1000、のぼり、が牛込中央通り
電信柱に出ている。その脇を左に入る。
看板が出ていないと、ただの民家、である。


存在は、はるーか、以前から知っていたのだが、
入ったことはなかった。


日本橋宮川、牛込店、という、うなぎ屋、である。


東京のうなぎ屋は、宮川、と、いう屋号が多い。
皆、暖簾分け、で、あろうか。


最も有名なのは、築地の宮川本廛(ほんてん)か。


ここが総本店、と、いうことらしい。


日本橋の宮川、というのは、行ったことはない。


さて、牛込店。
庭があって、格子戸を開けると、左側にテーブル席、と小上がり。
なかなか、落ち着いて、粋な感じである。


連れ二人、と、ともに、小上がりへ上がる。


ランチのうな丼を頼む。


飾り戸棚の襖(ふすま)の色がよい。
前に、拙亭の近所のうなぎ屋、やしま、のところでも書いたのであるが、
やはり、同じ色である。


筆者、日本の伝統的な色については知識がなく、語る言葉があまりない。
なんという名前なのであろうか。


少し調べてみると、近い色でも実に様々な名前がある。


韓紅花(からくれない) 、茜(あかね)、赤紅(あかべに)
中紅(なかべに) 、、、。


伝統的な襖の色であるから、きっと、どれか特定できる名前が
あるのであろう。


大きくいうと、紅(べに)、なのか。
現代の色を表現する言葉は、実に貧弱である。
赤、ピンクせいぜい、朱。これぐらいであろうか。


こんな襖、あるいは、ついたて、でも家にあったら
よいだろうなぁ、、などと、思ったりする。
(タイトルの地の色、で、ある。)


運ばれる。





お盆に載せられて、大きくはないが、
塗りの実蓋(みふた)の器で、うな丼。
きも吸いと、お新香。


蓋を開けると、ふたの裏に、金文字で日本橋・宮川。


味は、甘すぎもせず、辛すぎもせず、ちょうどよい。
また、蒲焼の焼き具合も柔らかく、うまい。


また、お新香の、大根が、うまい。


うなぎ屋のお新香、というものは、昔から大切なものである。
落語などにも出てくるが、昔は注文が入ってから調理に入るため、
小一時間も、かかった。
待っている間、客は、呑みながら、お新香で、つなぐ。
そこで、うなぎ屋では、お新香に気を使うものであった。


中でも、筆者は、沢庵でもない、このお新香の大根が好き、である。
(しゃきしゃきした、糠漬け、の大根である。)


初めてきたが、なかなか、よい店ではなかろうか。


今度は、夜にでも、ゆっくりまた来たい。




地図