浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



鶏魚刺身・みる貝

dancyotei2006-01-11

1月8日(日)夜


午後、落語の稽古がてら、歩いて御徒町、吉池まで。
寒いが、ブツブツいいながら、歩くと、身体は温かくなる。


吉池に到着するが、天災、一席終わらないため、
松坂屋の裏通りをうろうろ。


やっと終了。


吉池へ。なにがあるかな。


店内をうろうろするが、日曜のせいか、連休のせいか、
河岸が休みなのか、今一つ、の、ような気もする。


それでも、まず、みる貝。
江戸前、¥200。
大きいものではないが、開いて料理してあるのものが、三つ分。
これは安いのではあるまいか。


それから、好物の、ひも。韓国産、¥300程度。
それから“子持ち”に惹かれてシャコ。中国産¥500程度。


もう一度、魚のコーナーに戻り、見直してみる。


鶏魚(いさき)、佐世保。一匹¥300。
刺身、焼き魚、と、書いてある。
刺身で食える、というのは、よいのではなかろうか。


帰りも稽古をしながら。
不忍池から、上野の山を登り、西郷さんの銅像
上野駅前、浅草通り、下谷神社、裏路地を通り、帰宅。


さて、鶏魚は三枚までおろしてもらった。
もちろん、あら、も、もらってきた。
これは、あとで、汁にしよう。


皮は引いていない。
ちょっと頭から、剥いてみるが、
鯵や鰯などの光物のようにはいかない。
尻尾から、包丁刃を皮と身の間に入れ、
力を入れて、引く。
きれいに、引けた。


みる貝は、そのまま、ぶつぶつ切る。
ひもは洗うだけ。
子持ちシャコは、拙亭常備の穴子の甘ダレをかける。
以上、終了。


茄子の辛し漬けなんぞも、出す。
酒、お燗。



鶏魚刺身。
おお、これは、よい。
さっぱりとしているが、ねっとりとあまく、
鶏魚らしい香りもよい。
よい刺身ではなかろうか。


それから、みる貝。
これもうまい。汐の香りよく、
貝らしいうまさ。
随分とうまいので、当初は二つだけ切ったのであるが、
結局、3つ分全部切って食べきってしまった。


だめなのは、輸入物2品。
ひもは、味がなく、
シャコは、解凍ものなのだろう、すかすか。
みる貝の¥200と、鶏魚¥300と、
大きな差、で、ある。


やはり、値段ではない。
子持ち、なんというものに騙されては、いけない。
こういうような、ちょっと見は、
うまそうに見えるものが、回転寿司などで
そこそこ幅を利かせるネタになるのかも知れぬ。


看板ではない、本当にうまいものを
見分ける舌が、大切なのであろう。