6月27日(月)夜
さて、そろそろ、もうよいであろうか。
梅雨明けもしていないのに、暑い日が続いている。
鮎である。
四月下旬であった。
スーパーで半額になっていたものである。
和歌山産であるが、養殖もの。
塩焼きと、鮎飯にしたのであるが、
鮎ほど、養殖と、天然の差がある魚も珍しいのでは、なかろうか。
味がまったく違う。
天然ものは、はらわた、がまったく苦くない。
このため、本当に、頭から尻尾まで、そのまま食べられるのである。
前回は、この違いを、思い知らされた。
(ちなみに、昨年は天然ものは、銀座・いまむらで食べた。)
鮎の解禁情報を調べてみると、多くが、6月である。
そろそろ、よいであろうか。
池波先生は、鮎が随分と、好きであったようである。
エッセイなどをみると、京都などで、盛んに食べられている。
前回引用した、鬼平の14巻「さむらい松五郎」は
同心・木村忠吾が、目黒の料理屋で、食べている。
多摩川の鮎を、生簀で飼って、食べさせていた、と、
いうような、設定である。
昔は、盛んに獲れ、鵜飼なども行われ、将軍様も食べていた、
と、いうのは、本当のことであったようである。
しかし、東京で生まれ育った、それも、筆者のような、それほど、お育ちの
よくもない家では、縁のないものであった。
今、あのあたりの多摩川で鮎は獲れなかろう。
・・・・。
と、思って調べてみると、どうしてどうして、
獲れるようである。
しかし、自分で、釣りにでも行けば別であろうが、
我々の口に入るような流通ルートには乗らないのであろう。
また、是非とも、多摩川の鮎でなければ、だめである、というものでもない。
さて、どこへいけば天然鮎は、手に入るのだろうか。
とりあえず、上野広小路の松坂屋を覗くが、養殖ものであった。
デパートにもないのか・・・。
魚のデパート、吉池へ。
養殖もの静岡産、三匹で、¥300。
随分と安い。
もう一種類。
和歌山産、二匹で¥300。
養殖であるが、「清流仕上げ」、と、いうような、言葉が書かれている。
なんであろうか、これは。
養殖池に、清流を流している、というようなことであろうか。
ともあれ、これ以外、選択肢はないので、購入することにする。
こんな感じである。
きれいに洗い、ぬめりを取り、飾り塩。
今回は、鮎飯用には、塩をせず、安全をみて、はらわたを出す。
鮎飯として、鮎の身を混ぜ込んだ場合、はらわたが苦いと、
だいなしになってしまう。
鮎飯用に、米をとぎ、酒としょうゆを入れ、水加減をする。
今日は、少し濃い目の味にしてみた。
飯が炊き上がる頃をめがけて、焼き始める。
焼き上がり。
食べてみる。まあまあであろうか。
前回のものよりは、よい。
素焼きの方は、頭を取り、炊けた飯に、突っ込んでおく。
10分ほど蒸らし、尻尾を持って、箸で、骨を抜き、身を混ぜ込む。
ふむふむ。
なかなか、よいのではなかろうか。
飯の味を少し濃くしたのも、筆者の好みからは、よかった。
まあまあ、及第点。うまかった、と、いえよう。
しかし、こうなったら、本当の天然ものを、是非とも探さなくてはならない。
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