浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



小島町・路麺・アズマ

6月13日(月)朝


さて、ここは、拙亭に最も近い「路麺」である。


こちら、本編には、一度も書いていなかった。


最近、この四月以降であろうか、徐々に、目に見えて、本編の断腸亭ページ、
はてな版を含めて、アクセス数が増えている。


これは、取りも直さず、読んで下さる方が、増えている、ということで、
ほんとうに、ありがたく思っている。
また、新しい読者の方がいらっしゃる、と、いうことでもある。


「路麺」と簡単に書いてしまったが、少し、
新しい読者の方のために、説明をしたい。


現在は、閉鎖されてしまったようだが、「路麺」という言葉を作られた
「路面浪漫」というサイトがあった。


東京には、立ち喰いそば店は数多(あまた)ある。
その数多ある立ち喰いそば店のうち、チェーンではなく、
駅構内の立ち喰いでもない、街角に(道路に面して)ひっそりとある、
個人営業の立ち喰いそば店を、ブランドショップの「路面店」になぞらえて
「路麺」と名付けられた。
(これは、筆者の理解である。
原典がなくなっているので確認ができないのである。)


当日記でも、


三崎町・とんがらし


牛込柳町・白河そば


神田和泉町・二葉


浅草千束・ねぎどん


神楽坂・梅田


考察・路麺


など、書いている。


東京の路麺の世界は、実に奥深い。
立ち喰いという、高くても¥500に足らない価格で
実に、うまい、そばやうどんを食べさせてくれる。


また、個人経営であるためか、ご店主や働かれている方々は
皆、様々な意味で、実に、味がある。
立ち喰いという、短い滞在時間のなかで、そば以外の
なんらかの“もの”も、お客に与えてくれる。


お客は、タクシードライバーのおじさんだったり、
近所で働く、サラリーマンだったり、
朝、仕事に出かかる途中の、大工さんだったり、、
みな、東京で働く、男達である。


さて、路麺・アズマ、である。
場所は、台東区、春日通りと、清洲橋通りの交差点。
その、小島側の角にある。
かつて、この交差点、「ぢ」の交差点で有名であった。
今は、マンションになり、「ぢ」の薬屋さんは、もうない。


朝、通勤である。
筆者は、大江戸線に、新御徒町駅から乗車する。
朝飯は、食べているのであるが、ふらふらと、アズマへ。


路麺であるが、立ち喰いではなく、スツールがある。
カウンターも低い。
目線のあたりに、ずらりと、天ぷらが並ぶ。
朝はお客も多い。引きも切らさない。


ご飯物もある。
麺は、茹で麺。


こう、暑くなると、冷やしである。
ここで冷やしを食べたことはなかった。


壁に貼られた品書きにもあり、冷やしはできるようである。


毎週通っている、千束・ねぎどんでは、このところ
冷やしのおろしを食べているが、こちらは生麺。


茹で麺で冷やし、と、いうのは、若干の不安もあるが
おろしそば、で頼んでみる。



む、む。


茹で麺ではあるが、なかなか、よいではないか。
麺もよい具合。なにより、つゆの出汁(だし)がきいている。


これは、これは、めっけものであった。


温かい、かけ、ではここは、
この界隈のご多分に洩(も)れず、味は濃い。
また、天ぷらは、揚げ方も普通。
種類もそこそこにあるが、特に変わったものがあるわけではない。


〆(しめ)て、とても、普通の路麺、である。




地図



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