今日も、京橋で昼である。
雲樓の焼きそばで、他のメニューも試してみたい、というのもあるが。
今日は、先の竹葉亭のこともあり、リベンジ。うなぎでいこう。
日本橋高島屋特別食堂の野田岩である。
過去にも、書いている
京橋からてくてく歩く。
以前は休日の昼下がり、という時間であったが
今日は、ウイークデーの昼。かなり、ハイソなおば様達で混んでいる。
案内の説明によると、15分ほど待つとのこと。
そのくらいは、許容値であろう。
名前を言って、待合スペースで待つ。
やはり、私のような男一人はいない。
まわってきた。
ここは、ホテル並のサービスである。
お茶、おしぼり。
鰻重竹¥2300を頼む。
先日の竹葉亭より、¥400高い。
「お待たせしております。」と差し替えのお茶を持ってくる。
ほどなく運ばれ、お重のふたを開ける。
野田岩は天然もの。(と、いうことになっている。)
大きさは竹葉亭よりは小さい。
さんしょ、さんしょ。。。。
(この、うなぎを前にして、さんしょをかけているときの、
待ち切れない、うれしさ、というものは、ない。)
げ、空だ。。
空を持ってきてはいけない。
気を取り直して。
食べる。
前に、上品な味付けと書いていたが
今日、気が付いた。上品さの正体の一つは、香ばしさである。
焼いた香りが非常に、よく、これが、上品な感じなのである。
ここが、他のうなぎ屋と、違うところである。
また、うなぎだけ食べた時と、飯と一緒に食べた時と
うなぎの味が違うように感じる。
飯に染み込んだタレの味が作用するのであろうか、
飯と食べたときにどんな味になるのか、
当然、計算しているのであろう。
問題のお新香。
竹葉亭は干からびて、かなりひどかった。
私が、お新香にこだわるのは、東京のうなぎ屋の新香は、
昔からかなり大事なものである筈だからだ。
少し引用
...うなぎ屋の新香なんて、乙に食わすもんだ。
なんだい、このワタ沢山のきゅうり、
こんなもの、キリギリスだって食やぁしないよ...
わけあって、幇間(たいこもち)がうなぎ屋で、
小女(こおんな)を相手に、あれやこれやと、
散々文句を言う。その一節である。
もともと、鰻は、客が来てから割くため、時間がかかる。
このため、客は、酒と新香でつなぐ。
うなぎ屋は、新香には気を使ったのである。
野田岩のお新香。大根、きゅうり、葉もの(かぶかと思う。)
大根はみずみずしく、しゃきしゃき。
きゅうりは程よく漬かっており。
葉っぱは、古漬けまでいかないであろうが、よく漬かったものを
水に晒し、絞り、細かく切ってある。
どれも、うまい。
このくらいは、ほんとは、あたりまえの筈である。