浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

野晒し その4

間があいたが、またまた、断腸亭フィクション習作のつづき。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 前回 中入り前の中トリは春風亭栄枝(えいし)。柳治とは同い年だが こやつは真打。師匠は柳枝(りゅうし)。柳枝というのは…

野晒し その4

浅草観音裏・鮨・久いち その2

2月23日(土)夜引き続き、浅草観音裏の鮨や[久いち]。春子と鯖を刺身でもらったところまで。ここから、燗酒、菊正宗にしてもらう。もう一つ、刺身、鰹。鰹は、まず、にぎりではなく、刺身の方がうまい。この時期だと、脂があるのかないのか、どんなものか…

浅草観音裏・鮨・久いち その1

2月23日(土)夜 さて。 今日は、内儀(かみ)さんが鮨が食いたい、という。 店は、希望のまま、浅草観音裏の[久いち]。 観音裏、というのは皆さんはあまりご存知ではないかもしれない。 字で書いた通り、観音様の裏。 観音様・浅草寺や花やしきの北には言…

ポテトサラダ

さて。 3回に分けて、拙いフィクションを掲載したが、 どのくらいの方にお読みいただいたのであろうか。 完全なフィクションを書くのは初めてで、試行錯誤中、 習作の域を出ていないと思われる。 (驚かれた方も少なくないかもしれない。) このお話、タイト…

1百眼(ひゃくまなこ)

三笑亭可上:目の部分だけのお面のようなものを付けて 後の、百面相につながるもの。可上という人は、文化文政から 幕末まで生きていた。この頃は五十を越えたくらいだと思われる。 この画は『百眼昔ばなし』というタイトルの本の表紙。浮世絵師の 国芳。本…

野晒し その3

三 ここから、再び大川の土手に戻り、きた道を引き返す。 吾妻橋を渡り返し、渡って右側に[東橋亭]という寄席はある。 噺(落語)専門というわけではないが、場所柄、お客のよく入る席で、 格としては高い方であろう。 この五月の上席(上旬のプログラム)…

野晒し その3

野晒し その2

二 この日、柳治は、吾妻橋の寄席、東橋亭(とうきょうてい)で出番があった。 寄席の昼の興行、いわゆる昼席の四番目。時刻としては八つ(午後二時)頃。 小半時(こはんとき)も前に楽屋に入っていればよい。 柳治は先ほどのお玉の話がどうも気になってい…

野晒し その2

野晒し その1

さて。 毎度、断腸亭料理日記ご愛読ありがとうございます。 唐突なようではありますが、今日から小説というのか、 まあ、フィクションを少し配信しようと決めました。 一先ず、数回分。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 野晒し …

野晒し その1

かつ丼

2月17日(日)第1食 風邪を引いてしまった。 木曜日、金曜日と栃木県の工場で、金曜はみぞれ交じりの中、 ほぼ外気温と同じところで、4〜5時間いなければならなかった。 アレルギー鼻炎もこの数週間ひどく、 これに風邪が加わり、37度ちょうど程度なのだ…

かき揚げ天丼

歌舞伎のことやらを書いているうちに、 リアルタイムから内容が遅れてしまっているが、 一つだけ書いておきたいもの。2月10日(日)第二食天丼が食べたくなった。かき揚げの天丼。天丼というのは、東京の名物であろう。 そもそも、天ぷらというもの自体の発…

帝国ホテル・シャリアピンステーキ

2月9日(土)さて。 まだ、先週からのつづき。 日比谷の日生劇場で芝居がはねて 8時すぎ。 なにを食べようか。 うん。ここだったら、隣。 そう、帝国ホテル、で、あろう。 随分前に随分前にNHKのドラマでやっていた、村上総料理長のこと。 これに感動したの…

二月大歌舞伎 その2

2月9日(土)さて。 引き続き、二月大歌舞伎。 昨日は、一つ目の『義経千本桜』の道行。 次は『新皿屋舗月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ)』の 通し。 やはり、作品像全体がわかる、通しのものをちゃんとやってくれるのは 素人にはありがたい(と、思…

二月大歌舞伎 その1

團十郎、八代目まで書いてきたが、九代目から明治になる。 きりもよいので、ここで一先ず團十郎のことは終わりにし、 歌舞伎ばかり続くのだが、今日からは9日に観にいった、 日生劇場の二月大歌舞伎のことを。2月9日(土)このところ、毎月歌舞伎を観にいっ…

市川團十郎のこと その4

團十郎家の芸について。横道にそれてしまって、それっきり 終わってしまっては、申し訳がないので、 まとめのようなものを、書いてみたい。團十郎というのは、最初に書いたように、 江戸の元禄の頃、初代が生まれ、現代まで、十二代、 代を重ねてきたわけで…

市川團十郎のこと その3

引き続いて、團十郎家の芸について。 私が気になっている、團十郎家の芸の特徴の一つである、 長セリフのことを考えている。 最初はやはり、厄払いのような、宗教的な意味を持って 長ゼリフがあったが、それが物売りの口上のようなものと 合体したり『外郎売…

市川團十郎のこと その2

さて。 引き続き、團十郎のこと。 市川團十郎家=歌舞伎十八番についてみてきている。 参考書から、團十郎家の芸といえば、 1.隈取(くまどり)、2.誇張した衣装、3.見得(みえ)や 荒々しい足拍子に代表される独特の演技術、4.勇壮なセリフと 雄弁…

市川團十郎のこと その1

ご存じの通り、 去る三日、十二代目市川團十郎が亡くなり、 昨日六日葬儀が営まれた。 謹んでご冥福をお祈りする。 最近、歌舞伎を観るようになり、この日記にも 観劇記というのか、素人なりに感想らしきものを 書いている。 が、しかし、亡くなった十二代目…

2月3日(日)夜日曜日。昼すぎ、久しぶりに、魚を見に、アメ横へ出る。昨日ほどではないが、今日も少し暖かい。自転車。アメ横の魚やというのは、なん軒もあるが、 多くはまぐろの塊だったり、蟹の足、辛子明太子 など、ちょっと値の張るものを扱って、 「安…

両国・ぼうず志ゃも その2

2月2日(土)夜 今日は、昨日の続き。 両国の軍鶏鍋や[ぼうず志ゃも] 入って、ビールをもらったところまで。 まずは、小鉢。 鶏と玉ねぎのサラダのよう。 次は、これ。 見た通り、レバー。 柔らかくて、うまい。 鶏レバーの煮たのは拙亭でもよく作るのだが、…

両国・ぼうず志ゃも その1

2月2日(土)夜 さて。 土曜日。 今日は両国の[ぼうず志ゃも]。 軍鶏鍋を中心とした、軍鶏や。 前から行きたかったのだが、 ウイークデーのみで、なかなかこれなかった。 創業は江戸も初期の天和年間、という。 (1680年頃、将軍は綱吉の初期。が、これは…

駅弁、富山ぶりとますのすしと、大船軒のサンドイッチ

1月30日(水) さて、引き続き、北陸。 昨日の金沢から富山へ移動。 19時前、富山駅前で仕事終了。 弁当を買って18時59分、富山駅発の[はくたか25号]に飛び乗る。 [はくたか]は北陸線、ほくほく線、越後湯沢経由で 上越新幹線で上野まで。 上野着は22時2…